嫡(漢字)

普及版 字通 「嫡(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
14画

[字音] チャク・テキ
[字訓] むかひめ・つま・よつぎ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(てき)。は帝を祀る祭儀を示す(てい)()の字で、その祭儀を執行しうるものは、帝の直系者であることを要した。のち字は分かれて(てい)ととなり、はその祭儀、はその執行者の身分をいう。嫡妻、〔説文〕十二下に「(つつし)むなり」、次条に「(しよく)はむなり」とみえる。周初の金文〔大盂鼎(だいうてい)〕に周王・武王・成王を「)祀」することがみえる。嫡は正嫡・正夫人、その子を嫡子嫡嗣という。

[訓義]
1. むかひめ、正夫人、つま。
2. よつぎ。
3. つつしむ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 牟加比女(むかひめ)、、毛止豆女(もとつめ)/母 万々波々(ままはは) 〔名義抄 モトツメ・ヒトノメ・ムカヒメ 〔立〕 イマメ・ムカヒメ・モトノメ 〔字鏡集〕 ムカヒメ・モトノメ・ツク・トツキ・マサシ

[声系]
〔説文〕に)声として(適)・(敵)・(滴)・(摘)・など十一字を収める。)は祀を示す字。帝の嫡系として、それに「適(かな)い」「敵(あた)る」もので、はその声義を承ける。別にのように、まるくつぶらなもの、またうつ音を形容する意に用い、正嫡の意にあたらぬものには、その系列の語が多い。

[熟語]
嫡位嫡裔・嫡妻・嫡子・嫡嗣嫡室嫡庶嫡妾嫡孫嫡男嫡長嫡嫡嫡派嫡配・嫡父・嫡婦嫡流
[下接語]
元嫡・世嫡・正嫡・長嫡・冢嫡・廃嫡・立嫡

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報