デジタル大辞泉 「嫉妬」の意味・読み・例文・類語
しっ‐と【嫉妬】
1 自分よりすぐれている人をうらやみねたむこと。「他人の出世を
2 自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを恨み憎むこと。やきもち。
[補説]作品名別項。→嫉妬
[類語]羨ましい・ねたましい・焼き餅・ジェラシー・悋気・おか焼き・法界悋気・妬心・羨む・羨望・ねたむ・そねむ・やっかむ・焼く・焼ける
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
自分が所有したいと望むもの,または所有していると思うものを他人に奪われる際の苦痛の感情。所有欲ないし独占欲とそれが犯される危機感が条件だから,他人が自分より多くのものを持っていると感ずるだけでは,羨望は生じても嫉妬は生じない。人間にとって最も基本的な感情の一つで,2,3歳の幼児でも弟や妹が生まれて母親からかまってもらえなくなると,母の愛情を奪われたと感じて弟や妹を嫉妬し,敵意を向ける。これをカイン・コンプレクスといい,アベルをねたんで殺した旧約聖書のカインの故事に由来するが,さしずめカインは人類最初の嫉妬者だったことになる。さきの定義から,所有欲が強い人は一般に嫉妬心も強いが,それが正常範囲を越えると〈嫉妬妄想delusion of jealousy〉になる。統合失調症では被害妄想の一環として,自分の配偶者が外で不貞を働いていると信じこみ,アルコール依存症では妻への嫌悪感と本人の性的不能から同様の妄想を抱きやすい。
執筆者:宮本 忠雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…たとえば,愛する人が死んだとき,われわれは自分を責めるものだが,それは他方ではその人を憎んでいて,その死を願っていたため,あたかも自分が殺したかのように感じるからである。嫉妬もアンビバレンスの表れである。もし愛しか存在していないなら,恋人が別の人に走っても,その幸福を願うはずだから。…
※「嫉妬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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