女護島(読み)にょごのしま

精選版 日本国語大辞典 「女護島」の意味・読み・例文・類語

にょご‐の‐しま【女護島】

〘名〙
① 女だけが住むという想像上の島。中国の「三才図会」に「女人国」に関する記述があり、その影響で御伽草子の「御曹子島渡(おんぞうししまわたり)」に主人公源義経が回った島の一つに「女護島」があり、この島の女は、南風にあたると孕み、生まれる子もまた女子であったと記されている。近世にはいってこの島は伊豆八丈島をさすという噂(うわさ)の立ったことが「八丈実記」「甲子夜話」に見える。にょごがしま。にょうごこく。にょうごのしま。〔黒本本節用集(室町)〕
② 女性ばかりがいるところの称。男子禁制の大奥吉原などの遊里をたとえていう。
浄瑠璃・平家女護島(1719)三「是をもいへば夕附日しゅしゃかの御所は女護(ニョゴ)の嶋」

にょうご‐の‐しま【女護島】

〘名〙 =にょごのしま(女護島)①〔文明本節用集(室町中)〕
浮世草子好色二代男(1684)一「一、女護(ニャウゴ)の島(シマ)より美面鳥渡る事」

にょご‐が‐しま【女護島】

談義本風流志道軒伝(1763)三「所かはれば品川の風流、女護(ニョゴ)が嶋の辻番かと思ほゆる」

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「女護島」の解説

女護島
(通称)
にょごのしま, にょうごのしま

歌舞伎・浄瑠璃の外題
元の外題
平家女護島 など
初演
享保5.1(大坂・竹島座)

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