太白山(読み)たいはくさん

日本歴史地名大系 「太白山」の解説

太白山
たいはくさん

茂庭もにわの集落の北東にある標高三二〇・七メートルの山。生出おいで森・烏兎おどヶ森ともいう。周辺の丘陵より高峻で三角形の山塊をなし、遠くから見ると富士山に似ていることから名取富士とも称され、擂鉢山とも俗称する。頂上には貴船きぶね神社が祀られ、仙台湾を航行する船や漁人の目標となっていた。また仙台平野の村々では当山にかかる雲で天候を予知するなど、生活に深くかかわってきた山であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「太白山」の意味・わかりやすい解説

太白山
たいはくさん / タイパイシャン

中国、陝西(せんせい)省中部、渭河(いが)平原の南にそびえる秦嶺(しんれい)山脈の主峰。太乙(たいいつ)山とも称する。関中から望める最高峰で、標高3767メートル。山頂は終年、雪が消えず、山中には各種の氷河地形が残存しており、第四紀氷河の博物館といわれる。山頂の太白三池も氷食湖の一つである。また植生の垂直変化も著しい。その美しい景色は、李白(りはく)の『登太白峰』など唐代の詩人のしばしば歌うところとなり、「太白積雪」として長安八景の一つとされ、また山岳信仰の対象となった。

[秋山元秀]

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