秦嶺(読み)シンレイ

デジタル大辞泉 「秦嶺」の意味・読み・例文・類語

しん‐れい【秦嶺】

中国中央部、甘粛かんしゅく省・陝西せんせい省の南部東西に連なる山脈。標高2000~3000メートルの山々で、最高峰陝西省太白山の3767メートル。狭義には、これから河南省の伏牛・桐柏山脈に至る、渭水いすい漢水との分水嶺をさす。華北華中を分ける自然の境界線をなす。チンリン
中国西安市の南東にある終南山別称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「秦嶺」の意味・読み・例文・類語

しん‐れい【秦嶺】

[一] 中国、陝西省西安市の東南にある終南山の異称
[二] 中国、陝西省の太白山から、河南省の伏牛山脈まで、渭水と漢水の間を東西に走る山地の名。広義には甘粛省南部の岷山から、安徽省中部大別山脈までをさし、淮河(わいが)とともに華北・華中の境界となっている。最高峰は太白山(三七六七メートル)。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

百科事典マイペディア 「秦嶺」の意味・わかりやすい解説

秦嶺【しんれい】

中国中部を東西方向に横断する山脈。渭水淮河漢水嘉陵江の分水嶺を形成し,地理的に中国を南北に分ける境界線となっている。広義の秦嶺は甘粛・青海両省から河南省中部にいたる一連の山系の総称で,狭義の秦嶺は陝西省内を走る山系を指す。主峰の太白山は標高3767m。南面の陝西省洋県の山中に世界唯一のトキの自然繁殖地があることで知られる。
→関連項目華山陝西[省]中華人民共和国

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

普及版 字通 「秦嶺」の読み・字形・画数・意味

【秦嶺】しんれい

陝西南部を東西に走る山脈。唐・韓〔左遷されて藍関に至り、姪孫(てつそん)湘に示す〕詩 雲は秦嶺にたはりて、家何(いづ)くにか在る 關(らんくわん)を擁(よう)して、馬(すす)まず

字通「秦」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「秦嶺」の意味・わかりやすい解説

秦嶺 (しんれい)
Qín lǐng

中国,陝西省南部を東西によこぎる断層山脈。平均標高2000~3000m,最高峰の太白山(3767m)をはじめ,《詩経》にみえる終南山,玉泉山などの山峰がある。渭河と漢水の分水嶺をなし,北側は急峻な断層崖のため,古来,渭水盆地では〈南山〉と称し〈九州の名阻,天下の険峻〉と呼んだ。宋・金が南北に対立した時代は国境線となった。東の淮河(わいが)とともに秦嶺-淮河線を形成,北方の暖温帯,コムギを中心とする畑作,南方の亜熱帯,イネ栽培をわける重要な境界である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「秦嶺」の解説

秦嶺
しんれい
Qínlǐng

中国の崑崙 (クンルン) 山脈東部に発し,黄河上流に並行して東西に連なる山脈
甘粛・陝西 (せんせい) 両省の南部をほぼ東西に走り,渭水 (いすい) と漢水との分水嶺を形成し,中国の北部と中部とを判然と区別する自然的境界をなす。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の秦嶺の言及

【終南山】より

…中国,陝西省南部,秦嶺のうち西安南方の一帯をさす。また秦嶺全体をいう場合もある。…

※「秦嶺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android