知恵蔵
「国連総会」の解説
国連総会
国連の主要な討議機関で、全加盟国が議席を、投票においては各国が1票を持つ。通常会期は毎年9月の第3火曜日に始まり、普通は12月半ばまで続くが、必要に応じ、年明け後に再開してさらに続行する。特別会期は加盟国の過半数または安保理の要請があった場合に開かれ、近年の例としては2001年6月の国連エイズ特別総会がある。このほか、1950年に採択された「平和のための結集」決議に基づき、加盟国の過半数または安保理の9カ国の要請で招集される緊急特別会期がある。総会の主要任務は、国連憲章の範囲内にある諸問題及び国連の機関に関する諸問題について、討議し勧告すること。ただし平和と安全の維持に関しては安保理に主要な責任があり、安保理が取り扱い中の問題に関しては、同理事会の要請がない限り勧告はできない。総会決議は新規加盟の認容・除名の決定、予算の承認などわずかな例外を除き、原則として加盟国を拘束しない。だがその中には、世界人権宣言(48年)や新国際経済秩序樹立宣言(74年)など、国際社会の基本構造にかかわる重要な内容を宣明したものも多い。法的な拘束力がないにもかかわらず、決議の動向に対する支配力をめぐって、第三世界諸国による「多数の横暴」といった非難が一部先進国からなされるのは、総会決議が持つ重みによるところが大きい。
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国連総会
こくれんそうかい
United Nations General Assembly
略称 UNGA。国連の主要機関の一つ。全加盟国によって構成され,国連憲章の範囲内にあるすべての問題を討議し,加盟国や安全保障理事会などに勧告できる。国際の平和と安全の維持については安全保障理事会が第1次的な責任を負うが,その他に関しては総会が国連の最高機関である。総会の決定は,重要問題については,出席して投票する加盟国の3分の2の多数,その他の問題については,過半数で行われる。重要問題とは,国際の平和と安全の維持に関する勧告,新加盟国の承認,予算の承認,安全保障理事会や経済社会理事会の理事国の選挙,国連憲章の改正などをいう。投票は,1国1票である。総会の年次通常会期は9月に開かれ,また特別会期は加盟国の過半数または安全保障理事会の要請があったとき招集される。 1950年 11月に総会は「平和のための結集決議」を行い,安全保障理事会に代って緊急事態に対処できるとするなど,権限の強化をはかった。 1960年代から発展途上諸国が総会構成国の大半を占めている。
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デジタル大辞泉
「国連総会」の意味・読み・例文・類語
こくれん‐そうかい〔‐ソウクワイ〕【国連総会】
国際連合の主要機関の一つで、安全保障理事会と並ぶ最高機関。全加盟国によって構成され、国連憲章の範囲内にあるすべての問題や事項について討議し勧告することができるが、安全保障理事会と異なり、決定事項に拘束力はない。毎年1回、9月に定期総会を開くほか、特別総会や緊急特別総会が開かれることもある。議案採決では、各国が1票の投票権をもつ。議長は、世界の五つの地域による持ち回りで選出される。国際連合総会。UNGA(United Nations General Assembly)。
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世界大百科事典内の国連総会の言及
【国際連合】より
…現在の未加盟国は,スイスを除けば,若干の〈極小国家〉にとどまる。中国は,1949年の革命成立後も,台湾の国民政府が国連での代表権を維持し,中国本土は国連から締め出されてきたが,第26回国連総会は中華人民共和国政府の代表権交替を認め,問題は決着をみた。加盟国のなかには人口や領土,資源の乏しい,いわゆる〈極小国家〉と呼ばれる国々があり,これらの国の取扱いが今後の課題である。…
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