普及版 字通 「反(漢字)」の読み・字形・画数・意味
反
常用漢字 4画
[字訓] そむく・かえす・かえる・そる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
厂(かん)+(又)(ゆう)。厂は崖の形。反はそこに手()をかけて攀援(はんえん)する(よじのぼる)形。そのような地勢のところを坂といい、もし聖所ならば阪という。阪の従う(ふ)は聖梯の形。聖所に攀援することを試みるような行為は、反逆とみなされた。〔説文〕三下に「(くつがへ)すなり。に從ひ、厂は反する形なり」とする。〔伝〕にも厂を「物の反するに象る」とするが、その形とはみえない。金文の〔小臣単(しようしんたんし)〕に、厂下に土を加えている字形があり、土は(社)の初文で聖所を示す字とみられる。〔小臣(しようしんそくき)〕に「東夷、大いに反す」のように、逆の意に用い、また〔頌鼎(しようてい)〕「瑾(きんしやう)(鬯(かんちよう)のための玉器)を反入(へんなふ)(返納)す」のように往反の意に用いる。
[訓義]
1. そむく、たがう、むほん。
2. かえす、かえる、もどす、くつがえす、はねかえす。
3. そる、かえりみる。
4. あらためる、かえる、かわる。
5. くりかえす、かえって。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕反轉 辨色立に云ふ、反轉、久閇枳(くるべき)。楊氏語抄、同じ 〔名義抄〕反 カヘル・カヘス・カヘスカヘス・カハル・クツカヘル・ヒルガヘス・ソムク・サカフ・コタフ・モドル・ヤム・サカサマ・ソレル・ソル・ソリ・コボス・コボル
[声系]
〔説文〕に反声として(返)・(飯)・販・版・阪など十一字を収める。反声の字に、反転の意をもつものが多い。
[語系]
反・piuanは同声。また(翻)phiuan、phianは声義近く、反覆・反転の意がある。
[熟語]
反異▶・反意▶・反宇▶・反景▶・反映▶・反影▶・反衍▶・反応▶・反音▶・反過▶・反悔▶・反外▶・反間▶・反監▶・反観▶・反眼▶・反旗▶・反逆▶・反躬▶・反求▶・反響▶・反訓▶・反計▶・反撃▶・反言▶・反顧▶・反故▶・反語▶・反忤▶・反攻▶・反寇▶・反哭▶・反獄▶・反骨▶・反根▶・反始▶・反支▶・反事▶・反手▶・反首▶・反書▶・反掌▶・反証▶・反照▶・反情▶・反心▶・反身▶・反信▶・反脣▶・反襯▶・反人▶・反芻▶・反正▶・反省▶・反旌▶・反噬▶・反切▶・反接▶・反然▶・反走▶・反側▶・反仄▶・反俗▶・反対▶・反紐▶・反謀▶・反聴▶・反▶・反倒▶・反棹▶・反動▶・反馬▶・反旆▶・反背▶・反縛▶・反駁▶・反撥▶・反▶・反畔▶・反披▶・反風▶・反覆▶・反復▶・反袂▶・反閉▶・反哺▶・反謀▶・反報▶・反璞▶・反朴▶・反樸▶・反本▶・反命▶・反目▶・反約▶・反乱▶・反虜▶・反戻▶・反路▶・反弄▶・反閇▶
[下接語]
違反・往反・回反・顧反・旋反・相反・背反・倍反・復反・謀反・離反
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報