北行日記(読み)ほつこうにつき

日本歴史地名大系 「北行日記」の解説

北行日記
ほつこうにつき

一冊 宮島幹著 明治三年稿

写本 道立図書館

解説 出羽米沢藩士宮島幹が藩命によって藩の支配地後志国磯谷郡ほか、他藩等の支配地の状況を見分した旅行の記録。ほとんど陸路馬行の旅であり、西海岸を北上して宗谷まで至る。帰路は札幌・勇払を回って磯谷陣屋まで四十数日の旅行。近世から開かれた地域であるが、アイヌ集落や物産の状況、人々の激しい動き、関心のあった樺太事情などを丹念に記す。米沢藩士の記録には、先行した山田民弥の「恵曾谷日誌」三冊もある。明治二年に領地を受取り越年して帰国するまでの記録で、同行絵師のすぐれた挿絵多数を含むことでも著名。「北海道郷土研究資料」八。

北行日記
ほつこうにつき

四冊

別称 北行遊記 高山彦九郎著

分類 紀行

解説 寛政二年六月七日江戸を出発水戸磐城を経て出羽国から津軽半島先端に達し、北海道に渡ろうとしたが成功せず、引き返した。秋田には八月一二日鳥海山麓から由利郡に入り、日本海沿いに北上久保田に到着、大館を経て二五日弘前に旅立つ一〇日余の滞在。経過地の人文地理的な景観描写、里数方位詳記され、民俗採訪記事も貴重。

活字本 日本庶民生活史料集成

北行日記
ほつこうにつき

四冊 高山彦九郎著

成立 寛政二年

解説 寛政二年六月江戸を出発、水戸・米沢を経て大館から津軽に入り、八戸久慈―一戸―鹿角を経て盛岡に至り、さらに平泉・薄衣から仙台・日光・諏訪を回って、同年一一月京都に帰るまでの日記。道中の地理的景観や里数・方位などを詳述するとともに、交友人物を巨細に記す。また土地ごとの民俗・伝承を探訪・採集するなど、その記述は当時の社会・政治・経済・文化・生活その他各方面にわたる。

活字本 日本庶民生活史料集成三

北行日記
ほつこうにつき

高山彦九郎著

解説 寛政二年六月江戸を出発、水戸・米沢を経て大館から津軽に入り、弘前―青森―三厩―青森―八戸を過ぎ、盛岡・仙台・日光・諏訪を回って、同年一一月京都に帰るまでの日記。道中の地理的景観や里数・方位などを詳記するとともに、交友人物を巨細に記す。また土地ごとの民俗・伝承を採訪・採集するなど、当時の社会・政治・経済・文化・生活その他各方面にわたる。主観的な記述で伝記資料として高く評価される。

活字本 「日本庶民生活史料集成」三

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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