三厩(読み)みんまや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三厩」の意味・わかりやすい解説

三厩
みんまや

青森県北西部、東津軽郡にあった旧村名(三村(むら))。現在は今別(いまべつ)町をはさんで東西に分かれる外ヶ浜(そとがはま)町の西部を占める地域。2005年(平成17)、東津軽郡蟹田(かにた)町、平舘(たいらだて)村と合併して、外ヶ浜町となった。旧村域は津軽半島北端にあり、津軽海峡に臨む。津軽山地が海岸まで迫っているため、平地が乏しく、海岸に沿って13の集落が並ぶ。蝦夷(えぞ)地(北海道)に逃れようとした源義経(よしつね)が持仏の観世音に祈って三頭の竜馬を得たという伝説の地。海岸に馬屋(厩(うまや))のような三つの岩屋があり、そこから地名が生じたという。海岸沿いに義経寺(ぎけいじ)がある。交通が不便であったが、1958年(昭和33)国鉄津軽線が延長された(現、JR津軽線)。国道399号も通じる。漁業中心であったが、1971年から青函トンネルの掘削が龍飛崎(たっぴざき)を坑口として進み、1988年JR海峡線が開通、龍飛崎真下に竜飛海底駅が設置された(2014年3月廃止)。龍飛崎一帯は津軽国定公園域。

[横山 弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三厩」の意味・わかりやすい解説

三厩
みんまや

青森県北西部,外ヶ浜町の旧村域。津軽半島の北端にある。 1889年村制。 2005年東方に離れて位置する蟹田町,平舘村と合体して外ヶ浜町となった。源義経主従3騎が津軽海峡を渡って蝦夷地へ向かったという伝説の土地で,義経の厩 (うまや) であったといわれる三つの海食洞が地名の由来。三厩松前街道終点にあたり,蝦夷地との往復に重要な港であった。 JR 津軽線の終着駅。また北海道と本州を結ぶ青函トンネルが通る。竜飛崎を中心とする海岸は津軽国定公園に属する。

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