日本庶民生活史料集成(読み)にほんしよみんせいかつしりようしゆうせい

日本歴史地名大系 「日本庶民生活史料集成」の解説

日本庶民生活史料集成
にほんしよみんせいかつしりようしゆうせい

第四巻(探検・紀行・地誌 北辺篇)一冊 高倉新一郎編 三一書房 昭和四四年刊

解説 近世および明治初年における北辺関係の重要文献二二点を収録。松田伝十郎「北夷談」、間宮林蔵「東韃地方紀行」、坂倉源次郎北海随筆」、平秩東作「東遊記」、最上徳内「蝦夷風俗人情之沙汰」などのようによく知られた古典的文献も含まれている。しかしその多くは以下に示すように本書において初めて活字化されたもの、あるいは刊本があってもすでに入手が困難なものである。「エトロフ島漂着記」、武藤勘蔵「蝦夷日記」、東「東海参譚」、児山紀成「蝦夷日記」、三保喜佐衛門「唐太話」、窪田子蔵「協和私役」、長谷部辰連「千島三郡取調書」、佐藤正克「闢幽日記」、松本十郎「石狩十勝両河紀行」、松宮観山「蝦夷談筆記」、串原正峰「夷諺俗話」、最上徳内「渡島筆記」、秦檍丸「蝦夷生計図説」、松前泰広「蝦夷蜂起」、則田安右衛門「寛文拾年狄蜂起集書」、新井田孫三郎「寛政蝦夷乱取調日記」、松浦武四郎「近世蝦夷人物誌」。なかでも最上徳内「渡島筆記」は江戸時代アイヌ民族誌としてもっとも正確で詳細なもの、また秦檍丸「蝦夷生計図説」はアイヌの生活産業器具製法などを解説した優れた図説で、ともに蝦夷史料中の白眉である。なお写本挿絵のあるものはすべて写真版が添えられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本庶民生活史料集成」の意味・わかりやすい解説

日本庶民生活史料集成
にほんしょみんせいかつしりょうしゅうせい

主として近世の民衆生活を記録した史料を分類して収録した史料集。全30巻、別巻1。1968年(昭和43)から1984年に三一書房から刊行見聞録、体験記、日記、随筆などを収録し、解題と補注を付す。各巻の編成は探検・紀行・地誌(1~4、20)、漂流(5)、一揆(6)、飢饉(ききん)・悪疫(7)、見聞記(8)、風俗(9)、農山漁民生活(10)、世相(11、12)、騒擾(そうじょう)(13)、部落(14、25)、都市風俗(15)、奇談・奇聞(16)、民間芸能(17)、民間宗教(18)、南島古謡(19)、村落共同体(21)、祭礼(22)、年中行事(23)、民謡・童謡(24)、神社縁起(26)、三国交流誌(27)、和漢三才図会(28、29)、諸職風俗図会(30)。

[福田アジオ]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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