普及版 字通 「務(漢字)」の読み・字形・画数・意味
務
常用漢字 11画
[字訓] つとめる・はげむ・つとめ
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(ぼう)。は矛(ほこ)をあげて人にせまる形。〔説文〕十三下に「趣(おもむ)くなり」とあり、〔玄応音義〕に引いて「趣くこと疾(すみ)やかなり」とする。〔爾雅、釈詁〕〔玉〕に「強(つと)むるなり」とあり、努めてそのことに赴くことをいう。力は耒(すき)の象形で、農耕につとめる意。〔国語、周語上〕「三時には農に務め、一時には武を(なら)ふ」、〔呂覧、上農〕「先づ農民に務む」など、農事に用いるのが本義である。
[訓義]
1. つとめる、農事につとめる、はげむ。
2. はげます、すすめる。
3. つとめ、しごと。
4. おもむく、むかう。
5. ・侮と通じ、あなどる。
6. (ぼう)と通じ、くらい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕務 ツトム・イソグ・カザル・アナヅル・マツリゴト・イトナム・ツカマツル・コハシ 〔立〕務 イソグ・キハム・ツカサ・コハシ・マツリゴト・シゲシ・オモムク・ツトム・ツカサドル 〔字鏡集〕務 アナヅル・ツカマツリ・ツカサ・マツリゴト・シゲシ・カザル・ツカサドル・オモブク・イトナム・イソグ・ツトム・コハシ
[声系]
〔説文〕に(ぼう)のほか声の字十九を収める。霧を〔説文〕に声の字に作るが、今は務に従う。にも、くらい意がある。
[語系]
務・・鶩・(霧)miuは同声。鶩に疾飛の意があり、霧に霧の意がある。声の字に、その義があるとみるべきである。・・mong、(夢)・miung、・貿・(冒)muも声義近く、これらもまた一系をなすものであろう。
[熟語]
務勧▶・務期▶・務耕▶・務施▶・務時▶・務織▶・務穡▶・務進▶・務当▶・務徳▶・務農▶・務附▶・務本▶
[下接語]
委務・役務・家務・開務・外務・揆務・機務・義務・急務・業務・勤務・軍務・兼務・公務・曠務・国務・細務・債務・作務・雑務・事務・時務・執務・主務・戍務・庶務・商務・常務・職務・塵務・枢務・世務・成務・政務・勢務・税務・責務・先務・専務・賤務・曹務・総務・俗務・内務・任務・農務・煩務・繁務・畢務・百務・服務・辺務・法務・本務・民務・余務・要務・吏務・理務・釐務・労務
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報