にゅう‐ぶ ニフ‥【入部】
〘名〙
① 領内にはいること。特に、
国司や領主などが、はじめて任国や
領地にはいること。入部入。入国。
入府。
※
令義解(833)戸「謂。国司向
二所部
一。〈略〉即
郡司入部」
② ある境地に十分に到達すること。〔名語記(1275)〕
③ 部と名のつく団体にはいること。
※日本野球史(1929)〈国民新聞社運動部〉忍苦の一高又も早慶に敗る「西尾守一が堂島中学から入部(ニフブ)して来て右翼となった」
いる‐とものお ‥とものを【入部】
〘名〙
大化前代、
特定のものにあてられた部。「子代
(みこしろ)入部」は子代に入れられた部、「御名
(みな)入部」は名代に入れられた部のこと。いりべ。いるべ。
[
補注]「
書紀(720)大化二年三月(北野本訓)」には「
昔在(むかし)の
天皇の日に置ける子代
(こしろ)の入部
(ヒルトモノヲ)」とある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「入部」の意味・読み・例文・類語
にゅう‐ぶ〔ニフ‐〕【入部】
[名](スル)
1 部と名のつく団体にはいること。「運動部に入部する」⇔退部。
2 国司や地頭が初めてその任国や領地にはいること。入府。
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にゅうぶ【入部】
主として平安時代以降中世において,国司・郡司あるいは追捕使・検非違使・検田使などの政府や国衙の諸使,預所等の中央派遣の荘官や定使,さらには新補の地頭や守護・守護使などが,所部の地域や領内に入ること,とくに初度のそれをさすことが多い。早い用例として,《令義解》戸令の〈国郡司条〉に,国司が入国するに当たり,郡司等の役人が過大の歓迎行事を行わぬように,そして〈郡司入部〉においても,〈里長・百姓もまた此の例に依れ〉としているのがあげられる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報