五分(読み)ごぶ

精選版 日本国語大辞典 「五分」の意味・読み・例文・類語

ご‐ぶ【五分】

〘名〙
① 一寸の半分の長さ。約一・五センチメートル。
徒然草(1331頃)六六「枝のながさ七尺、或六尺、返し刀五分に切る。枝の半に鳥を付く」
② 一割の半分。百分の五。五パーセント。
物事の度合がわずかであること。少々。
読本椿説弓張月(1807‐11)前「為朝聞給ひて、こころに五分(ゴブ)の憤(いきどほり)あれども、色にも見(あらは)し給はず」
④ 物事のなかば。また、程度が半分くらいであること。半々。「成功の見込みは五分だ」
双方に上下優劣のないこと。五分五分
⑥ 長さを一寸の半分ぐらいに切ったねぎ。ごぶねぎ。
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「つひでに五分葱(ゴブ)とお香のものをサ」

ご‐ふん【五分】

〘名〙
一分の五倍の量を表わす語。
江戸時代元祿一六八八‐一七〇四)頃の、最下等の遊女の揚げ代。銀五分(ふん)であった。また、その遊女の位の称。五分取。五分女。五分蔵。
浮世草子・好色貝合(1687)上「同じ人間とは申せども、上太夫より下五分(ごフン)にいたる事、さても甲乙あるものは遊女の品ぞかし」

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デジタル大辞泉 「五分」の意味・読み・例文・類語

ご‐ぶ【五分】

尺貫法で、1寸の半分の長さ。約1.5センチ。「一寸の虫にも五分の魂」→1
1割の半分の割合。100分の5。5パーセント。「五分手数料」「市価五分引き」→歩合
物事の半ば。半分。「五分通り出来上がる」
双方に優劣の差がないこと。五分五分。「試合五分に持ち込む」「五分に渡り合う」
(あとに打消しの語を伴って用いる)ほんのわずか。「五分のすきもない」
昔、牛鍋屋などで、1の長さに切ったネギをいった語。
生肉なまかわりに、―の代を持って来い」〈逍遥当世書生気質
[類語](3半分ハーフ半ば半数半額半金半値四半分/(4等しい同じ同一等価同等均等等し並み一律一様いちようイコール互角伯仲五分五分おっつかっつ拮抗どっこいどっこいとんとん対等匹敵比肩伍する相半ばする肩を並べる勝るとも劣らない並び立つ負けず劣らずいずれ劣らぬ似たり寄ったり並ぶ団栗どんぐりせい比べ双璧そうへきちょぼちょぼ甲乙付け難い雁行一進一退鍔競つばぜり合い竜虎相搏あいう追いつ追われつ抜きつ抜かれつ競り合うせめぎ合う攻防一歩も引かぬ

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