中浜哲(読み)なかはま・てつ

朝日日本歴史人物事典 「中浜哲」の解説

中浜哲

没年:大正15.4.15(1926)
生年:明治30.1.1(1897)
大正期の反逆的な詩人,社会運動家。本名富岡誓,別名鉄。福岡県企救郡東郷村(北九州市)に生まれた。家業漁業。豊津中学を卒業。新聞記者,軍隊生活ののち,大正10(1921)年加藤一夫らの自由人連盟に参加した。各地を放浪した末,11年に古田大次郎らと反逆者クラブ(のちギロチン社)を結成。同年9月の総連合運動(日本労働組合連合)創立大会には自由労働者同盟の代表として出席。大震災後は企業などから資金を取得する「リャク」に関与し,13年3月実業同志会事務所で逮捕された。銀行襲撃の小坂事件(1923)などギロチン社関係の事件で起訴され,2審で死刑となるが,古田に倣って上告せず刑死した。この間多くの労働詩,反逆詩を残した。<参考文献>『祖国と自由』1925年12月号,古田大次郎『死の懺悔』,秋山清ニヒルテロル

(小松隆二)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中浜哲」の解説

中浜哲 なかはま-てつ

1897-1926 大正時代無政府主義者
明治30年1月1日生まれ。大正10年大阪で加藤一夫の自由人連盟にくわわる。11年古田大次郎らと東京で反逆者クラブ(のちギロチン社)を結成。大阪の銀行襲撃など一連の事件で逮捕,15年4月15日処刑された。30歳。福岡県出身。早大中退。本名は富岡誓。名は鉄ともかく。

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