上山草人
かみやまそうじん
(1884―1954)
俳優。本名三田貞(ただし)。仙台生まれ。早稲田(わせだ)大学中退。東京俳優養成所、文芸協会などを経て、1912年(大正1)10月近代劇協会を設立、芸術座と対抗した。1919年に妻で女優の山川浦路とともに渡米。ハリウッドでエキストラなどをしているうち、ダグラス・フェアバンクス主演の映画『バグダッドの盗賊』(1924)に出演、特異な扮装(ふんそう)と顔だちで一躍有名となった。以後おもに中国人役で47本の映画に出演、1929年(昭和4)帰国。松竹や新興映画で主演作もあったが、しだいに振るわず、晩年は黒澤明(あきら)の『七人の侍』で無言の琵琶(びわ)法師役で出演するなどにとどまった。
[千葉伸夫]
『上山草人著『素顔のハリウッド』(1930・実業之日本社)』
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上山草人 かみやま-そうじん
1884-1954 大正-昭和時代の映画俳優。
明治17年1月30日生まれ。45年近代劇協会設立に参加。新劇俳優として活躍後,大正8年渡米し,ハリウッドで「バグダッドの盗賊」などおおくの映画に出演。昭和4年帰国後,「赤西蠣太(かきた)」「七人の侍」などに脇役で出演。昭和29年7月28日死去。70歳。宮城県出身。東京美術学校(現東京芸大)中退。本名は三田貞(ただし)。
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世界大百科事典(旧版)内の上山草人の言及
【近代劇協会】より
…新劇団。文芸協会を退会した上山草人(かみやまそうじん)・山川浦路(うらじ)夫妻が,伊庭孝(いばたかし)(1887‐1937),柴田勝衛,杉村敏夫らの俳優,演出家とともに,1912年5月に結成,坪内逍遥と森鷗外が顧問となった。同年10月有楽座でイプセン《ヘッダ・ガブラー》を旗揚げにとりあげ,主演女優山川浦路のヘッダが好評を博した。…
※「上山草人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」