三太(読み)サンタ

デジタル大辞泉 「三太」の意味・読み・例文・類語

さんた【三太】

江戸時代丁稚でっち小僧通称三太郎
愚鈍な者をいう擬人名。三太郎。
犬が前足を上げ、後ろ足で立つ芸。ちんちん。
「犬に―させて遊ばるるこそ少しは憎し」〈浮・一代男・六〉
人に世辞を言ったりへつらったりすること。
「請出さうと言うたらば―もしさうな物が」〈浮・禁短気・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「三太」の意味・読み・例文・類語

さんた【三太】

〘名〙
① 江戸時代、商家で働く少年丁稚(でっち)、小僧などの通称。三太郎。
浄瑠璃心中重井筒(1707)上「年季の三太すっきりと合点せず」
② 愚鈍な者をあざけって呼ぶ名。三太郎。
※浄瑠璃・丹波与作待夜の小室節(1707頃)与作おどり「口入頼みて銀四百目を、仮に雇ふて女房と名づけ、あほう三太をらむ右源太で」
③ (━する) 犬にさせる芸の一種。ちんちんのこと。後脚を曲げて直立し、前脚を上げてその先を垂れること。丁稚小僧達がよく犬にたわむれて、この芸を仕込むところから呼ばれるようになったという。一説キリシタン礼拝の形に似るところから「サンタマリア」の略とも。
俳諧・ゆめみ草(1656)春「まっすぐに立はさんたが犬桜〈一武〉」
④ (━する) (③から転じて) 土下座すること。
※浮世草子・傾城禁短気(1711)一「広き難波にあの女郎を、引欠きさうな大臣外に覚へず。請出さふといふたらば、さんたもしそふな物が、少しの間勘当せられて」
⑤ 賭事のおいちょかぶで、できた目の数が三であること。
競馬(1946)〈織田作之助〉「オイチョカブ賭博の、一(いんけつ)、二(にぞ)、三(サンタ)、四(しすん)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三太」の解説

三太 さんた

青木茂児童文学主人公
山梨県道志村にすむ,わんぱくだがあかるく,にくめない少年。担任の花荻(はなおぎ)先生が大すき。敗戦直後,「赤とんぼ」に三太を主人公にした物語がかかれ,昭和23年「三太武勇伝」として刊行される。25年にはNHK連続ラジオドラマ「三太物語」(筒井敬介脚色)となり,ひろくしたしまれた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

普及版 字通 「三太」の読み・字形・画数・意味

【三太】さんたい

三公。

字通「三」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android