三(漢字)

普及版 字通 「三(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

(異体字)參
11画

[字音] サン
[字訓] みつ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 指事
横画三本をならべた形。細長い木を並べた数とりのしかたを、そのまま字形化した。卜文・金文では一より四までをこの形式であらわす。〔説文一上に「天地人のなり」という。一には「は一に立つ」、二十三下には「地の數なり」とし、三において天地人の道が備わるとする。古い自然哲学における、発生論的な考えかたである。それで王の字形を、天地人三才を貫くもので、道の実践者とするが、王の字形は大きな鉞頭の形。三は聖数とされ、その名数の語は千数百にも及び、〔字類編〕中の三巻を占めている。金文に、官名や分数的表示のときに參(参)を用いる。參は(かんざし)三本を髪に挿した形で参集の意があり、三と声義の通ずる字である。古文。一、二にもその形式の古文がある。

[訓義]
1. みつ、数の三。
2. みたびする、みつにする、三分する。
3. 天地人、三才。
4. 多数、しばしばする。
5. 三つ星。
6. 参と通用する。

[古辞書の訓]
名義抄〕三 ミトコロ 〔字鏡集〕三 カサヌ・ミトコロ・ミツ・タカシ・シゲシ

[語系]
三sm、參・驂tsmは声近く、通用することがある。星の名のときは參shimとなる。また卅spは三十sm-zjipの合音であろう。參は齊(斉)と同じく、三本の(しんけい)を髪に加える形。齊は平行に立てて加え、參は左右を斜めに中央に集める形であるから、参集・集の意となる。三馬を駕することを驂という。

[熟語]
・三握・三衣・三衛・三易・三益・三苑・三下・三夏・三箇・三戒三槐・三・三三恪・三革・三閣・三竿三浣・三寒三澣・三鑑・三帰・三儀・三脚・三教・三極・三・三・三軍・三計・三・三径・三献・三元三顧・三姑・三壺・三公三光・三后三庚三更・三綱三皇三叉・三才三采・三宰・三歳・三載・三材・三策・三尸・三巳・三芝・三始・三思・三師・三事・三辞・三舎・三寿・三従・三粛・三出三春・三旬・三少・三笑・三殤・三觴・三条・三畳・三譲・三上・三晋・三辰・三秦・三仁・三垂・三推・三寸・三正三省・三聖・三世・三成・三牲・三旌・三清・三精・三隻・三尺・三折・三絶・三泉・三線・三選・三俎・三素・三層・三蒼・三族・三属・三・三損・三多・三咤・三太・三大・三代・三台・三度・三単・三袒・三嘆・三壇・三知・三遅・三虫・三黜三朝・三点・三斗・三吐・三冬・三倒・三党・三登・三統三洞三徳・三飯・三品・三風・三伏・三復・三物三墳・三聘・三輔・三・三彭・三墨・三昧・三務・三命・三酉・三宥・三友・三余・三葉・三雍・三踊・三曜・三浴・三楽・三吏・三流・三閭・三両・三稜・三礼・三老・三論・三惑
[下接語]
元三・再三・三・第三・朝三・当三・二三・年三・両三・累三

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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