三十二年テーゼ(読み)サンジュウニネンテーゼ

デジタル大辞泉 「三十二年テーゼ」の意味・読み・例文・類語

さんじゅうにねん‐テーゼ〔サンジフニネン‐〕【三十二年テーゼ】

昭和7年(1932)、コミンテルン日本共産党に指示した運動方針。日本革命の性質を、社会主義革命への強行的転化傾向をもつブルジョア民主主義革命と規定し、講座派の理論的支柱となった。→二十七年テーゼ

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精選版 日本国語大辞典 「三十二年テーゼ」の意味・読み・例文・類語

さんじゅうにねん‐テーゼ サンジフ‥【三十二年テーゼ】

(テーゼはThese) 一九三二年(昭和七)五月、コミンテルンの西ヨーロッパ書記局が、当時の日本共産党のおかれた情勢とその任務について指示した方針書「日本における情勢と日本共産党の任務に関するテーゼ」をいう。日本が満州事変を始めたことに対して反戦闘争の重要さを強調し、ブルジョワ民主主義革命から社会主義革命への強行的転化を指示したもので、日本共産党はこれを承認した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三十二年テーゼ」の意味・わかりやすい解説

三十二年テーゼ
さんじゅうにねんテーゼ

1932年5月コミンテルン執行委員会西ヨーロッパ・ビューローによって決定された「日本における情勢と日本共産党の任務に関する方針書」のこと。日本の支配体制を絶対主義的天皇制とみなし,きたるべき日本革命は天皇制を打倒し,地主制を廃止するブルジョア民主主義革命であり,社会主義革命はその次の段階とする二段階革命論立場を明確にした。日本では河上肇翻訳で同年7月 10日『赤旗』特別号に掲載され公にされた。同種のものには 27年,31年のものがある。これらのテーゼは当時の日本の経済理論,社会主義運動理論に大きな影響を与え,活発な論争を引起した。

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