五月(読み)ごがつ

精選版 日本国語大辞典 「五月」の意味・読み・例文・類語

ご‐がつ ‥グヮツ【五月】

〘名〙 一年の第五番目に当たる月。仏教では三長斎月一つとして、精進して、悪事を慎む。さつき。さなえづき。ごがち。《季・夏》
※枕(10C終)二「頃は正月・三月・四月・五月・七八九月・十一二月、すべてをりにつけつつ、一とせながらをかし」 〔法苑珠林八八

いつ‐つき【五月】

〘名〙 五か月。特に懐妊してから五か月目。この月に岩田帯を締める。
源氏(1001‐14頃)若菜下「又もけしきばみ給ひて、いつ月ばかりにぞなり給へれば」

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デジタル大辞泉 「五月」の意味・読み・例文・類語

ご‐がつ〔‐グワツ〕【五月】

一年の5番目の月。さつき。 夏》「えにしだの黄にむせびたる―かな/万太郎
[類語]五月さつき早苗月さなえづき橘月たちばなづき吹雪月ふぶきづき悪月あくげつ雨月うげつ梅月ばいげつ蕤賓すいひん仲夏ちゅうかなかなつうま

さ‐つき【五月/皐月/早月】

陰暦5月のこと。 夏》「庭土に―の蠅の親しさよ/竜之介
ツツジ科の常緑低木。関東以西の河岸の岩上などに自生初夏、枝先に紅紫色の花をつける。観賞用で、数多くの園芸品種がある。さつきつつじ。 夏》「―咲く庭や岩根かびながら/太祇

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五月」の意味・わかりやすい解説

五月
さつき

陰暦5月の異称で、皐月とも書く。節は仲夏にあたる。田に早苗を盛んに植えるので「早苗月」といったのが略されたものとか、「五月雨(さみだれ)月」を約したものといった語源説がある。五月雨とよぶ長雨の続くうっとうしい季節で、五月雲(さつきぐも)とよばれる厚い雨雲が垂れ込め、夜も五月闇(やみ)といわれる暗い闇夜が続き、晴れ間の待たれる日々であるが、その晴れ間がいわゆる五月晴れである。またこの月の5日は「五月の節」、端午節供で、五月幟(のぼり)や五月鯉(ごい)を立てる。

[宇田敏彦]

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動植物名よみかた辞典 普及版 「五月」の解説

五月 (サツキ)

植物。ツツジ科の常緑低木。サツキツツジ別称

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