一顧(読み)イッコ

デジタル大辞泉 「一顧」の意味・読み・例文・類語

いっ‐こ【一顧】

[名](スル)ちょっと振り返って見ること。ちょっと心にとめてみること。一考。「一顧だにしない」
好事家こうずかたまたま―するに過ぎないから」〈鴎外渋江抽斎
[類語]ちらりちらとちらっとちらちらちらりちらりちら見一瞥いちべつ一目ひとめ一目いちもく一見瞥見べっけんちょっと見

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精選版 日本国語大辞典 「一顧」の意味・読み・例文・類語

いっ‐こ【一顧】

〘名〙
一度振り返ること。また、ちょっと振り返って見ること。
※本朝文粋(1060頃)六・請被挙達弁官并右衛門権佐状〈三善道統〉「加一顧於駑蹇。使絶塵之誉
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉六「首を回らしてマルツラバースを一顧し」 〔楚辞七諫・自悲〕
② ちょっと考えてみること。ちょっと注意して目をかけること。
随筆独寝(1724頃)上「わざは千日にして解しがたく、理は一顧にしてすむ」
※妻(1908‐09)〈田山花袋〉二二「勤にはそんなものは一顧(イッコ)の値だになかった」 〔謝朓‐和王主簿怨情詩〕

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普及版 字通 「一顧」の読み・字形・画数・意味

【一顧】いつこ

ふりむく。目をかける。〔漢書、外戚上、孝武李夫人伝〕(李)年~ちてひ、歌うて曰く、北方に佳人り 世にして獨立す 一すれば人のを傾け 再すれば人の國を傾く

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