ルパン三世(読み)るぱんさんせい

知恵蔵 「ルパン三世」の解説

ルパン三世

モンキー・パンチのマンガ作品。「WEEKLY漫画アクション」(双葉社)で1967年8月10日号から69年5月22日号まで全94話が連載された。テレビアニメを始め、劇場版アニメ映画、実写版映画、ゲーム、CM小説などが幅広く作られ、人気を集めている。
主人公は、フランスのモーリス・ルブランの小説に登場する、怪盗アルセーヌ・ルパンの孫という設定のルパン三世。「狙った獲物は必ず奪う、神出鬼没の大泥棒」であるルパン三世と、次元大介、石川五ェ門、峰不二子、銭形警部ら個性的なキャラクターが織りなすアクションマンガである。
マンガは当初青年向けに描かれており、その後、大人向けのアニメとしてスタートしていたが、後に若者向けアニメに転向、全国で放送され人気を集めた。テレビ版アニメの第1シリーズは71年から72年まで、第2シリーズは77年から80年まで、第3シリーズとなる「ルパン三世PartⅢ」は84年から85年まで放送された。シリーズごとにルパンの着用するジャケットの色が変わっており、第1シリーズは緑、第2シリーズは赤、第3シリーズはピンクとなっている。第3シリーズまではルパン三世を山田康雄が演じていたが、95年に山田が急逝した後はものまねタレントの栗田貫一が演じている。2012年4月から6月まで放送された「LUPIN the Third―峰不二子という女」は峰不二子を主人公としたスピンオフ作品で、ルパンのジャケットの色は緑だった。これら通常放送の他に年に1度のペースでテレビスペシャルも多数製作されている。
劇場版アニメ映画は1978年に「ルパン三世 ルパンVS複製人間」が第1作として製作された。宮崎駿監督・脚本を担当した第2作「ルパン三世 カリオストロの城」はテレビで何度も再放送され、人気を集めた。85年に第3作となる「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」、87年に第4作「ルパン三世 風魔一族の陰謀」、85年に第5作「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」、96年に第6作「ルパン三世 DEAD OR ALIVE」、2013年には番外編として「ルパン三世VS名探偵コナンTHE MOVIE」、14年に第7作「LUPIN THE ⅢRD 次元大介の墓標」が製作された。
実写映画化は1974年公開の「ルパン三世 念力珍作戦」(国際放映)が初。ルパン三世を目黒祐樹が、次元大介を田中邦衛が、峰不二子を江崎英子が、銭形警部を伊東四朗が演じていた。40年を経て2014年に再び実写版が製作された(監督・北村龍平)。タイトルは「ルパン三世」で、配給東宝による。配役はルパン三世を小栗旬が、次元大介を玉山鉄二が、石川五ェ門を綾野剛が、峰不二子を黒木メイサが、銭形警部を浅野忠信が演じており、8月30日に公開となった。
15年には宝塚歌劇の演目として上演される。

(若林朋子  ライター / 2014年)

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デジタル大辞泉プラス 「ルパン三世」の解説

ルパン三世

①モンキー・パンチによる漫画作品。怪盗ルパンの孫・ルパン三世とその仲間の活躍を描くアクション漫画。『週刊漫画アクション』1967年8月10日号~1969年5月22日号に連載。双葉社アクションコミックス全2巻。劇場版アニメが多数公開され、特に宮崎駿の監督作品「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年公開)が有名。テレビアニメの放映にあわせ、「ルパン三世 新冒険」(1971年)、「新ルパン三世」(1977年~1981年)といった続編漫画やスピンオフ作品も発表された。2000年代に入っても、主要登場人物の一人である峰不二子を主人公とするスピンオフアニメ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の放映(2012年)、30年ぶりとなるテレビアニメシリーズの放映(2015年)などの動きが続く。2017年には漫画の連載開始50周年を記念して、著者モンキー・パンチが総監督をつとめるアニメの制作が発表された。
②日本のテレビアニメ。①を原作とする。放映はよみうりテレビほか(1971年10月~1972年3月)。制作:東京ムービー。声の出演:山田康雄ほか。怪盗ルパンの孫を主人公にしたアクションもの。1度目のテレビアニメ化。ルパンのジャケットは青緑色。
③日本のテレビアニメ。①を原作とする。放映は日本テレビ系列(1977年10月~1980年10月)。制作:東京ムービー新社(現:トムス・エンタテインメント)。声の出演:山田康雄ほか。2度目のテレビアニメ化作品。ルパンのジャケットは赤。
④2014年公開の日本映画。①を原作とする実写映画化作品。監督:北村龍平、出演:小栗旬、玉山鉄二、綾野剛、黒木メイサ、浅野忠信ほか。

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知恵蔵mini 「ルパン三世」の解説

ルパン三世

日本のマンガ家モンキー・パンチによるマンガ作品、及びそれを元にしたテレビアニメシリーズ・映画。1967年から『漫画アクション』(双葉社)にて連載され、1971年に初めてアニメ化された。以降、テレビアニメは2012年の「LUPIN the Third -峰不二子という女-」まで4シリーズが放映されている。また劇場用アニメは、「ルパン三世 カリオストロの城」など、全8作が公開された(番外編の「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」を含む)。その他、ゲーム、パチスロ、小説、OVA、テレビスペシャル版など、各種媒体にて展開されている。2013年11月、北村龍平監督・小栗旬主役により実写映画化され翌年夏に公開されることが発表された。

(2013-11-29)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ルパン三世」の解説

ルパン三世 ルパンさんせい

モンキー・パンチの同名の漫画の主人公。
アルセーヌ=ルパンの孫。手にいれたいものは絶対にぬすみだす怪盗。銭形警部,次元大介,五右ェ門,峰不二子らの名脇役いりみだれての活躍がアメリカコミック風のタッチでえがきだされ,人気をよぶ。昭和42年から44年まで「漫画アクション」に連載,テレビアニメ,アニメ映画も多数つくられた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例