リャードフ(英語表記)Anatolii Konstantinovich Lyadov

改訂新版 世界大百科事典 「リャードフ」の意味・わかりやすい解説

リャードフ
Anatolii Konstantinovich Lyadov
生没年:1855-1914

ロシア作曲家。マリインスキー劇場指揮者であった父から音楽の手ほどきを受けた。1878年ペテルブルグ音楽院作曲科(リムスキー・コルサコフのクラス)を卒業。同時に同音楽院の教職に就き(1886年から教授),多くの後進を育てた。ロシア国民楽派の直接の後継者の立場にあり,80年代にはリムスキー・コルサコフを中心とするベリャーエフ・グループ指導者の一人になった。200曲以上のロシア民謡の編曲がある。作風としては芸術至上主義的で小形式の細密画的作品が多い。生涯の最後の10年間に著名な作品は集中している。管弦楽曲《バーバ・ヤガー》(1904),《八つのロシア民謡》(1906),《キキモラ》(1909),《魔の湖》(1909)などがよく知られている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リャードフ」の意味・わかりやすい解説

リャードフ
りゃーどふ
Анатолий Константинович Лядов/Anatoliy Konstantinovich Lyadov
(1855―1914)

ロシアの作曲家。生地ペテルブルグ音楽院でリムスキー・コルサコフに学び、卒業後母校理論や作曲を教え、プロコフィエフやミャスコフスキーらを育てた。「五人組」の作曲家たちと交わり、ベリャーエフのグループに参加。また指揮者としても活躍した。ロシア民謡を収集、出版し、またロシア民話の幻想的な世界を題材にして『ババ・ヤガ』(1891?~1904)、『キキモラ』(1909)などの管弦楽曲や、細密画風のピアノ小品を残している。

[益山典子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「リャードフ」の解説

リャードフ

ロマン主義時代のロシアの作曲家、指揮者。1870年~78年ペテルブルク音楽院にて作曲をリムスキー=コルサコフに師事した。後年、母校と宮廷合唱学校にて理論と作曲を指導。門下にはプロコフィエフやグネーシン ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リャードフ」の意味・わかりやすい解説

リャードフ
Lyadov, Anatolii Konstantinovich

[生]1855.5.11. ペテルブルグ
[没]1914.8.28. ノブゴロド
ロシアの作曲家。ペテルブルグ音楽院でリムスキー=コルサコフに学び,作曲活動にたずさわるほか M.バラキレフとともにロシア民謡を収集,1878年母校の教授となった。色彩的な管弦楽曲とロマン的なピアノ曲を作曲。代表作交響詩『ババ・ヤガー』 (1904) ,同『魅せられた湖』 (09) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報