コルサコフ(英語表記)Korsakov

デジタル大辞泉 「コルサコフ」の意味・読み・例文・類語

コルサコフ(Korsakov/Корсаков)

ロシア連邦サハリン州樺太南部港湾都市漁業基地。1945年(昭和20)以前の日本領時代には大泊おおどまりと称した。北海道稚内わっかない定期航路で結ばれる。

コルサコフ(Sergey Sergeevich Korsakov)

[1854~1900]ロシア精神病学者。1887年、慢性アルコール中毒者にみられる精神異常障害、失見当記銘障害健忘などを最初報告。後にコルサコフ症候群として分類された。

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精選版 日本国語大辞典 「コルサコフ」の意味・読み・例文・類語

コルサコフ

(Sjergjej Sjergjejevič Korsakov セルゲイ=セルゲビチ━) ロシアの精神病理学者。モスクワ大学神経・精神病の研究グループをつくり、いわゆるコルサコフ学派を形成、近代ロシアの精神病理学を育成した。コルサコフ症候群の記載者。(一八五四‐一九〇〇

コルサコフ

(Korsakov) ロシア連邦、サハリン(樺太)南部の港湾都市。漁業を主とするほかパルプ水産加工などの工場がある。旧日本名は大泊(おおどまり)

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改訂新版 世界大百科事典 「コルサコフ」の意味・わかりやすい解説

コルサコフ
Korsakov

ロシア連邦,サハリン島(樺太)南部のアニワ湾沿岸にある都市。人口4万5300(1992)。旧称大泊(おおとまり)。サハリン島最良の港で知られる。1790年松前藩によって当時のクシュンコタンに漁場と交易所が開かれて以来,日本の樺太経営の中心地となり,1875年の樺太・千島交換条約後のロシア領時代はコルサコフ州政庁の所在地であった。1905年のポーツマス条約により南樺太が日本領となってのち大泊と改名。まもなく樺太庁は豊原(現,ユジノ・サハリンスク)に移転したが,その後も樺太の商業中心地としてとどまり,各種の官庁施設,銀行,中等学校のほか王子製紙・樺太漁業・樺太寒天・東洋養狐場などの事業所や工場がおかれていた。45年ソ連領になったのちも同島最大の港湾都市の地位を保持し,漁業コンビナート,ボール箱工場,寒天工場などが操業している。今日の都市名は,1869年この地の一角(函泊)に当時の東シベリア総督の名を冠して建設されたコルサコフ哨所に由来する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルサコフ」の意味・わかりやすい解説

コルサコフ
Korsakov

ロシアのサハリン州の港湾都市。サハリン島(樺太)南部,アニバ湾に臨み,州都ユジノサハリンスクの南約 30kmに位置する。18世紀末,松前藩がここに番屋を置き,樺太経営の拠点としたが,ロシアは 1853年軍事拠点を築き,1875年から公式にロシア領となった。1905~45年再び日本領となり,製紙工場などが建設され,稚内との間に連絡船が運航していた。サハリン島最大の港湾都市で,船舶修理,パルプ・製紙,水産加工などの工業がある。サハリン縦貫鉄道の起点。1995年稚内とのフェリーの定期航路が再開。日本名大泊(おおどまり)。人口 4万5300(1991推計)。

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百科事典マイペディア 「コルサコフ」の意味・わかりやすい解説

コルサコフ

ロシア,サハリン州(樺太)南部,アニワ湾に臨むサハリン最大の港湾都市。日本名大泊(おおとまり)(1946年まで)。北部への鉄道の基点。紙器,缶詰,寒天製造,船舶修理などの工場がある。1991年国際貿易港として開港。1995年より稚内に定期フェリーが開通したが,2015年に運航が停止されている。3万5000人(2006)。
→関連項目樺太開拓使樺太庁

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367日誕生日大事典 「コルサコフ」の解説

コルサコフ

生年月日:1854年2月3日
ロシアの精神病理学者
1900年没

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世界大百科事典(旧版)内のコルサコフの言及

【樺太・千島交換条約】より

…(2)ロシアはその代償として千島群島18島の一切の権利を日本に譲り,以後千島全島は日本に属し,カムチャツカ半島とシュムシュ(占守)島の間の海峡を両国境界とする。(3)日本の好意に酬いるため,以後10年間コルサコフ(久春古丹)入港の日本船の港税と海関税を免除し,同港に日本領事館を置く権利を認め,オホーツク海とカムチャツカ諸港の日本人漁業権を承認する。【藤村 道生】。…

※「コルサコフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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