ドクゼリ(読み)どくぜり(英語表記)water-hemlock

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドクゼリ」の意味・わかりやすい解説

ドクゼリ
どくぜり / 毒芹
water-hemlock
cowbane
[学] Cicuta virosa L.

セリ科(APG分類:セリ科)の多年草地下茎や根にシクトキシンを含む猛毒植物。地下茎は緑色で太く、節があることが特徴である。茎は高さ0.6~1メートルで中空。葉は2~3回羽状複葉、裂片は幅0.5~2センチメートル。6~8月、大形の散形花序をつくり、白色花を開く。果実は緑色で球形、黄色の太い稜(りょう)がある。水辺に生え、北海道から九州、およびアジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布する。地下茎は延命竹、万年竹の名で売られることもある。ドクゼリ属は北半球の湿地に10種あり、日本には本種のみが分布する。

[門田裕一 2021年11月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ドクゼリ」の意味・わかりやすい解説

ドクゼリ

セリ科の多年草。北海道〜九州,ユーラシアに広く分布し,湿地や小川にはえる。根茎は緑色でたけのこ状。茎は高さ1m内外となり,葉は2回羽状複葉となる。6〜8月,複散形花序を出し,白色の小花を多数開く。セリより大きく,緑色の大きい根茎をもつことなどで区別される。猛毒植物で,全草,とくに根茎にキクトキシンを含み,誤食すると強直けいれんや呼吸困難におちいる。

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