デカダン
〘名〙 (形動) (décadent)⸨デカダント⸩
※比興詩を論ず(1905)〈
角田浩々歌客〉三「デカダントといひシンボリズムといひ」
② 一般に、頽廃的な傾向を帯びた
事象、
事物。また、そのさまや
人物。
※
耽溺(1909)〈
岩野泡鳴〉一五「僕は、デカダンと云ふ
分野に放浪するのを、寧ろ僕の誇りとしよう」
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デジタル大辞泉
「デカダン」の意味・読み・例文・類語
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世界大百科事典(旧版)内のデカダンの言及
【象徴主義】より
…とりわけ,86年9月8日の《フィガロ》紙に,[モレアス]が〈文学的宣言〉と題する文章を発表し,〈芸術における創造精神の現下の傾向を妥当に示すことのできる唯一のものとして,我々は〈象徴主義〉という名称をすでに提唱してきた〉と書いたのが,この用語を定着させる大きなきっかけになった。当時,ベルレーヌを敬愛する若い詩人たちによって,〈デカダン〉と名のるグループが結成される動きもあった。それは,時代を覆っていた科学的実証主義の風潮,あるいはまた物質優位の世界観に疑いをもちながら,衰頽しつつある世界において,倦怠,憂鬱にとらえられずにいられない内面の微妙な状態を表現することが,新しい詩人の役割とする考えかたに基づいていた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」