ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィリアムソン」の意味・わかりやすい解説
ウィリアムソン
Williamson, Oliver E.
[没]2020.5.21. カリフォルニア,オークランド
アメリカ合衆国の経済学者。フルネーム Oliver Eaton Williamson。1955年マサチューセッツ工科大学 MITスローン経営大学院で経営学の学士号,1960年スタンフォード大学で経営学の修士号,1963年ピッツバーグのカーネギー・メロン大学で経済学の博士号を取得。1963~65年カリフォルニア大学バークリー校で助教,ペンシルバニア大学に移って 1965~68年准教授,1968~83年教授を務めた。1983~88年エール大学でゴードン・B.ツイーディ記念法学・組織学教授,以降カリフォルニア大学バークリー校で大学院教授,1998年には同大学ハース・ビジネススクールのエドガー・F.カイザー記念ビジネス・経済学・法学教授を兼任し,2004年名誉教授。教職のかたわら,1964~66年ランド研究所,1967~69年アメリカ司法省,1976~77年国立科学財団,1978~80年連邦取引委員会などさまざまな機関で顧問を務めた。2009年,企業の紛争解決において経済システムや階層的組織が市場の外でどのように機能するのかといった,経済統治の分野の研究が認められ,エリノア・オストロムともにノーベル経済学賞(→ノーベル賞)を受賞した。また自身の研究を通じて,新制度派経済学 new institutional economicsと呼ばれる新しい経済思想を生み出したことが評価された。著書に"The Economic Institutions of Capitalism: Firms, Markets, Relational Contracting"(1985),"The Mechanisms of Governance"(1996)などがある。
ウィリアムソン
Williamson, Alexander William
[没]1904.5.6. サリー,ハインドヘッド
イギリスの化学者。ドイツ,ハイデルベルク大学で L.グメーリーン,ギーセン大学で J.リービヒに学ぶ。 1849年以降ロンドン大学で教鞭をとり,55年化学教授。 50年アルコールとエーテルの分子構造の関係を明らかにし,可逆反応,化学平衡の機構を解明した。またアルコールからエーテルを生成する際の中間生成物の生成機構および触媒 (硫酸) の働きを明らかにした。また種々のエーテル混合体を得るウィリアムソン合成を開発した。留学生の指導などで明治期の日本の化学の道歩にも貢献した。
ウィリアムソン
Williamson, Henry
[没]1977.8.13.
イギリスの作家。好んで田園風物を描く。動物物語『かわうそタルカ』 Tarka the Otter (1927) でホーソンデン賞を受けた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報