デジタル大辞泉
「鮪」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ま‐ぐろ【鮪】
〘名〙
※
俳諧・続一夜松前集(1785)「月はれてまた傘の雨そそぎ〈
完来〉 魚馬
(マグロ)うち込秋汐の岸〈執筆〉」
③
轢死(れきし)体をいう
俗語。〔現代語大辞典(1932)〕
[語誌](1)「
古事記‐下・
歌謡」や「
万葉‐四二一八」には「鮪
(しび)突く」とあり、古代から銛
(もり)で突く漁が行なわれていたらしい。また「万葉‐九三八」の「鮪
(しび)釣ると
海人船騒き」からは、鮪釣りも行なわれていたことがうかがわれる。
(2)今日のような食用魚としての地位を確立したのは、近世後期の二度の大豊漁を経てからである。一度目の文化七~八年(
一八一〇‐一一)の冬は、醤油に漬け込んだ「づけ」として、二度目の天保三年(
一八三二)には、生のままで、すし種として広まった。
(3)「とろ」が一般的に食べられるようになったのは
昭和になってからで、元来「
あら」に過ぎない安価な「とろ」を、東京に集まった
地方の学生が賞味したことから始まったらしい。
しび【鮪】
※古事記(712)下・歌謡「大魚よし 斯毘(シビ)突く海人よ 其が離(あ)れば うら恋しけむ 志毘(シビ)突く志毘」
はつ【鮪】
〘名〙 魚「
まぐろ(鮪)」の異名。〔和漢三才図会(1712)〕
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の鮪の言及
【平群氏】より
…平群真鳥は武烈朝に至るまで大臣の地位にあり,とりわけ武烈朝においては国政をもっぱらにするとともに,天皇の位を奪うことを企てていたという。また真鳥の子の鮪(しび)は,海柘榴市(つばいち)の歌垣で物部影媛をめぐり武烈と争い,不遜な言動があった。こうしたことが原因となり,真鳥と鮪は武烈天皇の意を受けた大伴金村の攻撃を受け,滅亡する。…
※「鮪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」