餌ば(読み)エバ

デジタル大辞泉 「餌ば」の意味・読み・例文・類語

え‐ば〔ゑ‐〕【餌ば】

《「餌食えばみ」の略》
鳥獣や魚のえさ。え。
人を誘うために利用するもの。えさ。
「斯るわずかの功名を―となして」〈井上勤訳・狐の裁判
人の欲望を満たすためのもの。えじき。
「この一語でまんまと好奇心の―になるかと思いの外」〈荷風・ふらんす物語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「餌ば」の意味・読み・例文・類語

え‐ば ゑ‥【餌ば】

〘名〙 (「えばみ(餌食)」の変化した語)
① 魚、鳥、獣などの食物。特に、飼い、または誘うためのえさ。え。えさ。
保元(1220頃か)中「我らはをもとむる鷹のごとし」
他人の欲望を満たすためのもの。欲望の犠牲となるもの。また、そのような人。えじき。
人情本春色辰巳園(1833‐35)初「生質(うまれつい)たる温厚(おとなし)き娘を、末は〈略〉薄情ものの餌(ヱバ)となり」
③ 人を誘惑したり、だまして引き寄せるのに利用するもの。え。えさ。
浄瑠璃津国女夫池(1721)三「の狐が油ねずみの餌につらるるたぐひ、我もせがれが知行の餌(ヱ)ばにかかって」

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