電気楽器(読み)デンキガッキ(英語表記)electric musical instruments

デジタル大辞泉 「電気楽器」の意味・読み・例文・類語

でんき‐がっき〔‐ガクキ〕【電気楽器】

弦などの機械的な振動電気エネルギーに変換し、増幅することによって音を出す楽器エレキギターエレキベースなど。→電子楽器

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精選版 日本国語大辞典 「電気楽器」の意味・読み・例文・類語

でんき‐がっき ‥ガクキ【電気楽器】

〘名〙 オルガンギターなどの発音体の振動を電気振動にかえ、それを増幅する装置を備えた電気仕掛けの楽器。また高周波発振器やトランジスタなどによる電気振動を、音色回路を通して音楽的な音色や音響にかえる楽器。前者の例にハモンドオルガンやエレキギター、後者の例にテレミンエレクトーンなどがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「電気楽器」の意味・わかりやすい解説

電気楽器 (でんきがっき)
electric musical instruments

演奏機構や発音に電気の力を利用する楽器の総称。4種に大別される。(1)従来の機械的な振動をする発音源に電気的なしかけを応用しているもの。演奏機構面のみに応用している例として,送風用モーター,ストップ機構,ストップ配合の記憶装置などに電力を用いているパイプ・オルガンが代表的である。音に変化を与えるため補助的に応用している例としては,音板の下の共鳴パイプにモーターで回転するファンを取り付けてトレモロ効果を得ているビブラフォンがあげられる。振動を電気振動に変換して電子回路で音色を合成してスピーカーから発音させるものとしては,スチール弦の振動を電磁的に電気振動に変換しているエレクトリック・ギター,弦を打つ音をマイクで電気振動に変えたり,金属片を打った振動を静電的に電気振動に変える電気ピアノなどがある。(2)機械的回転を電気振動に変換しているもの。トーンホイールによる発電機を用い,電子回路で音色を合成しているハモンド・オルガンが代表的であるが現在は製造を中止している。(3)発振も電子回路で行い,種々の効果を電子回路で付加しているもの。他の電気楽器と区別して〈電子楽器〉とも呼ばれる。ロシアの物理学者テレミンが発明した〈テレミン〉(1920),〈オンド・マルトノ〉(1928)が古い。パイプ・オルガンを見本として出発し,現在ではまったく独自の楽器となって急速に普及している電子オルガンの類や,多様な音が自由に合成できるように種々の機能回路を網羅したミュージック・シンセサイザーシンセサイザー)の類があげられる。(4)自動楽器に応用しているもの。モーターで風圧をつくり,穿孔テープによって演奏機構が風圧で動かされる方式の自動楽器が20世紀初め多く造られた。ピアノ,バイオリン,オルガンなどに例が多い。最近では磁気テープに入られた情報でソレノイドコイルを制御して発音させるピアノが出現している。演奏によって入力される記録情報だけでなく,コンピューターで自動演奏させることができるものも出現している。
電子楽器
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百科事典マイペディア 「電気楽器」の意味・わかりやすい解説

電気楽器【でんきがっき】

電気を利用することを基本とする楽器。electric musical instruments。もとになる最初の振動を得る方法によって,機械的発振と電気的発振に大別される。機械的発振には,(鋼線),リード(金属片)などをまず振動させ,その振動を電気振動として取り出すもの(エレクトリック・ギターはその一例),モーターによって回転する歯車と電磁誘導を利用するもの(ハモンド・オルガン)などがある。電気的発振は電気回路のみで,低周波発振を行うもの(エレクトーン),二つの高周波を発生しそのビートにより低周波振動を得るもの(オンド・マルトノ)などがある。いずれの振動も電気的な操作を経て増幅され,スピーカーから音となって出る。なお,発振も電子回路で行うものを〈電子楽器〉と呼んで区別する場合もあり,前記オンド・マルトノ,エレクトーンなどの電子オルガン,シンセサイザーなどがここに含まれる。→電子音楽
→関連項目アンプラグド楽器ギターディスコ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電気楽器」の意味・わかりやすい解説

電気楽器
でんきがっき

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