精選版 日本国語大辞典 「雲霞」の意味・読み・例文・類語
くも‐かすみ【雲霞】
〘名〙
① 雲と霞。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「『いまは』とてかきこもり、さるはるけき山の雲かすみにまじり給ひにしむなしき御跡はとまりて」
② 人が非常に速くかけて行くこと。とくに、逃げて行方をくらますことの速いさまをいう。
※歌舞伎・桑名屋徳蔵入船物語(1770)三「雲霞に舁(か)いて行きをる」
③ 軍勢などの数の多いことをたとえていう語。
※水鏡(12C後)中「こなたかなたのいくさ、くもかすみのごとくにしてその数をしらず」
うん‐か【雲霞】
〘名〙 (「霞」は本来は「朝焼け、夕焼け雲」の意)
① 雲とかすみ。
※明衡往来(11C中か)下末「八月十五夜雲霞若晴、忝可レ有二光儀一」 〔謝霊運‐石壁精舎還湖中作詩〕
② 大衆、兵士など、人の多く群がり集まるさまをたとえていう語。
※太平記(14C後)一四「彼の逆徒等、雲霞の勢を以って押し寄する間」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報