阿波局(読み)あわのつぼね

改訂新版 世界大百科事典 「阿波局」の意味・わかりやすい解説

阿波局 (あわのつぼね)
生没年:?-1227(安貞1)

鎌倉前期の女性。北条時政の女で,源頼朝の妻政子の妹。将軍源頼家の御所女房であるとともに,千幡(のちの将軍実朝)の乳母であった。北条氏一員として,1199年(正治1)梶原景時粛清事件のきっかけをつくった。また1203年(建仁3)の阿野全成頼朝の弟)の謀反没落全成の妻であった阿波局が,父時政や姉政子の指示で端緒をつくったとみられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「阿波局」の解説

阿波局 あわのつぼね

?-1227 鎌倉時代,源実朝(さねとも)の乳母。
北条時政の娘。北条政子の妹。正治(しょうじ)元年一族の結城朝光(ゆうき-ともみつ)を梶原景時(かじわら-かげとき)が源頼家に讒言(ざんげん)したとき,これを事前に察知して朝光につげて景時を失脚させた。建仁(けんにん)3年源頼朝の異母弟である夫の阿野全成(ぜんじょう)は謀叛(むほん)の疑いで殺されたが,局は政子に庇護された。嘉禄(かろく)3年11月4日死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「阿波局」の解説

阿波局

没年:安貞1(1227)
生年:生年不詳
鎌倉前期の武家の女性,阿野全成(源頼朝の弟)の妻。北条時政の娘。政子の妹。頼朝と政子の子実朝の乳付を務め,以後守り役となる。正治1(1199)年,梶原景時の讒言から「忠臣」結城朝光を救い,頼朝亡きあとの権力争いでは姉政子に,父時政の後妻牧の方の動静に注意するよう警告するなど政治的動きを示している。

(鈴木国弘)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android