小田(読み)おだ

精選版 日本国語大辞典 「小田」の意味・読み・例文・類語

お‐だ を‥【小田】

[1] 〘名〙 (「お」は接頭語) 田。たんぼ
万葉(8C後)七・一一一〇「斉種(ゆたね)蒔く新墾(あらき)の小田(をだ)を求めむと足結(あゆひ)出で濡れぬこの川の瀬に」
[2]
[一] 岡山県の南西部の郡。小田川の中流域にある。井原市の北東部笠岡市もかつては含まれていた。古くは「おた」と訓。
[二] 陸奥国の古郡名。宮城県遠田郡の東部にあたる。中世以降、遠田郡に併合されて消滅

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デジタル大辞泉 「小田」の意味・読み・例文・類語

おだ【小田】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「小田」姓の人物
小田岳夫おだたけお
小田実おだまこと

お‐だ〔を‐〕【小田】

小さな田。また、田。
湯種ゆだねくあらきの―を求めむと」〈・一一一〇〉

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小田」の意味・わかりやすい解説

小田
おだ

愛媛県中部、上浮穴郡(かみうけなぐん)にあった旧町名(小田町(ちょう))。現在は喜多(きた)郡内子町(うちこちょう)の東部を占める一地域。1955年(昭和30)小田町(おだまち)、参川(さんかわ)、田渡(たど)の3村が合併し成立。2005年(平成17)喜多郡五十崎(いかざき)町とともに内子町に合併。旧町域は、肱(ひじ)川支流の小田川流域の山間地帯に位置する。小田の名は中世以降の郷名に由来。国道379号、380号が通じる。江戸時代には大洲(おおず)藩と新谷(にいや)藩領地に分かれた。交通不便な山村で、畑作や林業が主。傾斜地ではかつて焼畑もみられたが、近年はタバコ、クリ、シイタケの生産が行われる。杉の磨き丸太は建築用材として山村振興に役だっている。南部の小田深山(おだみやま)は国有林地帯(4500ヘクタール)で、原生林も多く、四国カルスト県立自然公園に含まれ、渓谷は行楽地となっている。

[横山昭市]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小田」の意味・わかりやすい解説

小田
おだ

愛媛県中部,内子町東部の旧町域。肱川の支流小田川流域,および仁淀川上流域にある。南部は 1200m以上の高い山が連なり,平地に乏しい。 1955年参川村,小田町村,田渡村の3村が合体して町制。 2005年内子町,五十崎町と合体して内子町となる。古くは新谷藩に属し,町村 (まちむら) といい,免租地であった。山間地帯で林業が主。中心集落は木材集散地。国有林の小田深山は,植林による森林育成で有名。シイタケ,クリ,茶,野菜などを産する。四国カルスト県立自然公園大野ヶ原にいたる登山コースにあたる。仁淀川の上流の小田深山渓谷は面河渓とともに渓谷美で知られる観光地。獅子越には小田深山スキー場がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「小田」の意味・わかりやすい解説

小田 (おだ)

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