釜殿(読み)カナエドノ

デジタル大辞泉 「釜殿」の意味・読み・例文・類語

かなえ‐どの〔かなへ‐〕【釜殿/×鼎殿】

平安時代以後、宮中将軍貴人邸内にあった湯殿。また、そこに奉仕した人。かないどの。
御湯殿、とある折は、―いみじう喜びをなして仕うまつるもあはれなり」〈栄花・玉の飾り〉

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精選版 日本国語大辞典 「釜殿」の意味・読み・例文・類語

かなえ‐どの かなへ‥【釜殿】

〘名〙
① 平安以後、宮中、社寺や貴人の邸内にあった建物の一つで、湯や御膳を調進するための釜を置いたところ。大嘗宮や宮中の内膳司主殿寮にあった。釜屋(かまや)。かないど。かないどの。かまどの。
※日本後紀‐弘仁二年(811)六月丁亥「主殿寮釜殿自倒」
② ①に勤仕する職員。かないど。かないどの。かまどの。
※栄花(1028‐92頃)玉の飾「御湯殿とある折は、かなへ殿いみじう喜びをなして」

かま‐どの【釜殿】

太平記(14C後)一八大宮竈殿(ヘツイドノ)(〈注〉カマトノ)は大日〈略〉二宮の竈殿は日光月光、各大悲の門を出でて利生之道に趣き給ふ」

かない‐どの かなひ‥【釜殿】

増鏡(1368‐76頃)一一「内侍・女官ども、かない殿まで祿給はる」

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