二宮(読み)にぐう

精選版 日本国語大辞典 「二宮」の意味・読み・例文・類語

に‐ぐう【二宮】

〘名〙
① 中宮と東宮。
三代実録‐貞観一七年(875)正月二日「毎年正月二日、親王公卿及次侍従以上、奉二宮宴例也」
二柱の神の宮。特に、内宮と外宮(げくう)
太神宮諸雑事記(11C中か)「仍勅使令申於二宮給」

に‐の‐みや【二宮】

[1]
[一] 神奈川県中郡の地名相模湾に面し、東海道に沿う。相模国の二宮の川匂(かわわ)神社がある。
[二] 京都市東山区清水にある北法相宗の大本山清水寺本堂の後ろの丘にある地主権現異称。かつては本尊文殊菩薩を安置したので文殊楼とも。明治維新後、大己貴命・素戔嗚命・稲田姫命ほかをまつる。

にのみや【二宮】

姓氏の一つ

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デジタル大辞泉 「二宮」の意味・読み・例文・類語

にのみや【二宮】

姓氏の一。
[補説]「二宮」姓の人物
二宮金次郎にのみやきんじろう
二宮敬作にのみやけいさく
二宮尊徳にのみやそんとく
二宮忠八にのみやちゅうはち

に‐ぐう【二宮】

中宮と東宮。
2柱の神の宮。特に、内宮と外宮。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「二宮」の意味・わかりやすい解説

二宮
にのみや

栃木県南東部芳賀郡(はがぐん)にあった旧町名二宮町(まち))。現在は真岡市(もおかし)の南部を占める地域。1954年(昭和29)久下田(くげた)町と物部(ものべ)、長沼の2村が合併し二宮町と改称。旧町名は二宮尊徳報徳仕法を行ったことに由来。2009年(平成21)真岡市に編入。旧町域の中央部を第三セクター真岡(もおか)鉄道と並行して国道294号、408号が通じる。鬼怒(きぬ)・五行(ごぎょう)・小貝(こかい)の3河川が南流し、これらの沿岸低地が広く、水田が多い。水田裏作のイチゴ栽培が盛んで、県内の主産地の一つである。茨城県との境に位置するため、交通系統や商圏も南の同県筑西(ちくせい)市下館(しもだて)地区と北の真岡市中心市街とが競合する地区である。二宮尊徳ゆかりの国指定史跡の桜町陣屋跡や穴川(あながわ)用水がある。また専修寺(せんじゅじ)境内も国の史跡に指定されている。

[村上雅康]

『『二宮町史』全6巻(2005~ ・二宮町)』

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改訂新版 世界大百科事典 「二宮」の意味・わかりやすい解説

二宮[町] (にのみや)

神奈川県南部,中郡の町。人口2万9522(2010)。南は相模湾に臨み,大磯丘陵をひかえた傾斜地を占める。町名はこの地の川匂(かわわ)神社が相模国の二ノ宮であったことにちなむ。1920年ころから京浜市場向きに野菜の促成栽培や酪農が始められ,丘陵斜面はミカン園となった。ラッカセイの特産地として知られる。第2次大戦後は東京や横浜への通勤住宅地と化した。長寿の里としても知られ,老齢人口の割合が高い。1954年に完成した太平洋横断海底ケーブルの陸揚地点で,二宮海底線中継所がある。徳富蘇峰記念館があり,庭に古木の梅が並ぶ。JR東海道本線,国道1号線が通じ,山寄りに小田原厚木道路,海岸には西湘バイパス(高速道)が走る。
執筆者:

二宮(栃木) (にのみや)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二宮」の意味・わかりやすい解説

二宮
にのみや

栃木県南東部,真岡市南部の旧町域。下野平野の南東部に位置する。1954年久下田町と長沼村,物部村の 2村が合体して二宮町が成立。2009年真岡市に編入。町名は江戸時代末期に二宮尊徳五行川に堰を築き,農村開発に努めた地であることにちなむ。中心地区の久下田は旧城下町。在来の清酒,醤油などの醸造業に加えて,近年は自動車部品,プラスチック製品などの製造が行なわれる。西部を鬼怒川,中部を五行川,東部を小貝川が南流し,水田が広く開ける。米,ムギを産し,イチゴ,かんぴょうを特産。国指定史跡の桜町陣屋跡,親鸞が開いた専修寺(せんじゅじ)などがある。

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世界大百科事典(旧版)内の二宮の言及

【一宮】より

…しかし,諸国において,由緒正しい古社で,国内で一番の崇敬をあつめ,経済的基盤も大きかった社を一宮と称したようである。また,それより,二宮,三宮と順次称することも生じた。そして,時代の下るとともに一宮に交替のあった国もあり,のち国内でなく郡内の一宮,二宮などの称も生じ,近世に入って,甲斐,肥前のごとく一宮争いが生じた国もある(表参照)。…

※「二宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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