避・除(読み)よける

精選版 日本国語大辞典 「避・除」の意味・読み・例文・類語

よ・ける【避・除】

〘他カ下一〙 よ・く 〘他カ下二〙
① 出会わないように、わきへ寄る。ぶつからないようにさける。
六百番歌合(1193頃)春「花散れば道やはよけぬ志賀の山うたて梢を越ゆる春風藤原有家〉」
※われら戦友たち(1973)〈柴田翔〉二「船はいくつかの岬の端をまわり、点在する小さな島々をよけ」
② 前もって災害などを防ぐ。災いなどからのがれようとする。
※浮世草子・西鶴織留(1694)二「烏帽子装束をあらためて、白幣をかざし、鬼門よける弓矢をそなへ」
③ 脇におしやる。別にしてのけておく。除外する。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※爛(1913)〈徳田秋声〉二二「自分でお金をよけておくと云ふ風でもないのね」
遊女が情夫を隠して置く。
評判記色道大鏡(1678)一「よくる ちかづく事うるさしとおもふ者をよけてとをす心也」

よけ【避・除】

〘名〙 (動詞「よける(避)」の連用形名詞化) よけること。特に、危難をさけるためのまじない。また、そのためのもの。「魔よけ」「厄よけ」「風よけ」「霜よけ」「泥よけ」など。
※雑俳・柳多留‐二一(1786)「よけが七両弐歩いるとてるひいい」
人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)四「何卒お粂がつつがなく家内へ帰る様になる除(ヨケ)を、して呉よと降巫(いちこ)に頼み」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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