這這(読み)ほうほう

精選版 日本国語大辞典 「這這」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ほう はふはふ【這這】

[1] 〘副〙 (動詞「はう(這)」の終止形が重なって成立した語。「と」を伴って用いることもある)
① はうような格好で進むさま、やっとのことで歩くさまを表わす語。
唐物語(12C中)下「足なえたるものの、はふはふゐざりつつ水を汲(く)みに行けり」
② さんざんな目にあったりして、そこからのがれるさまを表わす語。かろうじて。やっとのことで。
平家(13C前)八「或は馬をすてて、はうはうにぐる者もあり」
③ あわてふためいて。急いで、取るものも取りあえずに。
平治(1220頃か)中「はうはう仁和寺へ参り〈略〉御助ぞあらんずらんとて」
[2] 〘形動〙 (一)に同じ。
歌舞伎韓人漢文手管始唐人殺し)(1789)二「彌五右衛門這(ホウ)々に起て」
※歌舞伎・御国入曾我中村(1825)三立「矢ッ張り本役、はふはふな目にあふ」

はい‐はい はひはひ【這這】

〘名〙
① はうことをいう、幼児語
※俳諧・大坂独吟集(1675)上「麻衣たつ名もしらで後から 汗になりぬる恋路はいはい〈三昌〉」
八朔(はっさく)贈物とした、幼児のはう姿を模した御所人形身辺に置いて災厄を祓うものとした。〔和訓栞(1777‐1862)〕

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