這・延(読み)はう

精選版 日本国語大辞典 「這・延」の意味・読み・例文・類語

は・う はふ【這・延】

[1] 〘自ワ五(ハ四)〙
① 人がうつぶせに伏した状態になる。また、その状態で手足をつかって動きまわる。「赤ん坊が這う」
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「年九十ばかりにて、雪をいただきたるやうなる女・翁、はいにはいきて」
平家(13C前)四「築地をこえ、大床の下をはうて、きり板より泰親が勘状こそ参らせたれ」
② 獣・虫・貝など動物が地面などに体をすりつけるようにして進む。→はうむし(這虫)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
一面にのび広がる。また、特に、植物の根や蔦(つた)の類が地面や木などにまつわりついてのびる。はびこる。→はいもとおる
万葉(8C後)一四・三五〇七「谷狭み嶺に波比(ハヒ)たる玉葛絶えむの心わが思はなくに」
④ 「行く」「出て行く」などの相手の動作をおとしめていう。さすらう。
源平盛衰記(14C前)四六「如何にも覚さん儘に、蚑(ハウ)方へ蚑(ハイ)給へ」
⑤ 人に知れぬように行く。特に、女の寝所にしのびこむ。夜這(よば)う。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)三「はった事下女が寝ごとでばれる也」
[2] 〘他ハ下二〙 ⇒はえる(延)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android