這回(読み)いはいもとおる

精選版 日本国語大辞典 「這回」の意味・読み・例文・類語

いはい‐もとお・る いはひもとほる【這回】

〘自ラ四〙 (「もとおる」は、回るの意) はいまわる。
古事記(712)中・歌謡神風(かむかぜ)伊勢の海の 大石(おひし)に 這(は)ひ廻(もと)ほろふ 細螺(しただみ)の 伊波比母登富理(イハヒモトホリ) 撃ちてし止まむ」

はい‐もとおろ・う はひもとほろふ【這回】

〘自ハ四〙 (「もとおろう」は、動詞「もとおる(回)」の未然形反復継続を表わす助動詞「ふ」が付いて変化したもの) はいまわっている。のびてからみついている。
※古事記(712)中・歌謡「神風の 伊勢の海の 大石に 波比母登富呂布(ハヒモトホロフ) 細螺の」

はい‐まわ・る はひまはる【這回】

〘自ラ五(四)〙 はうようにしてまわる。あちらこちらをはって歩きまわる。はいめぐる。また、比喩的に、下手に出る。
※虎明本狂言・不聞座頭(室町末‐近世初)「すねをとり、うちたおひて、はいまはり、ざとうにぐる」

はいずり‐まわ・る はひずりまはる【這回】

〘自ラ五(四)〙 「はいまわる(這回)」を強めていう語。
信長公記(1598)首「深田へ逃入る者は所をさらずはいづりまはるを」

はい‐もとお・る はひもとほる【這回】

〘自ラ四〙 はいまわる。→いはいもとおる

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