逆立(読み)さかだち

精選版 日本国語大辞典 「逆立」の意味・読み・例文・類語

さか‐だち【逆立】

〘名〙
① さかだつこと。普通は横になっているものが上向きに立ったり、物の上下が逆になったりすること。
茶話(1915‐30)〈薄田泣菫女房手紙「男の髪の毛が逆立(サカダチ)になるやうに思った」
両手地面につけて体を支え、両足を上にあげてまっすぐに立つこと。倒立。しゃちほこ立ち。〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ 立回りの演技の中で、②の動作をする一種の型。〔戯場訓蒙図彙(1803)〕
④ (「さかだちしても」の形で) 精一杯頑張っても。どんなに頑張っても。
美徳のよろめき(1957)〈三島由紀夫〉一三「土屋逆立ちをしても払ふことのできぬ犠牲であった」

さか‐だ・つ【逆立】

[1] 〘自タ五(四)〙 さかさまに立つ。普通は下を向いたり横になったりしているものが、上へ起こり立つ。
浄瑠璃・孕常盤(1710頃)一「天のさかほこさかだったる一滴が固まって」
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「逆竪(サカダ)つ身毛(みのけ)は」
[2] 〘他タ下二〙 ⇒さかだてる(逆立)

さか‐だ・てる【逆立】

〘他タ下一〙 さかだ・つ 〘他タ下二〙 さかさまに立てる。下にあるものを、上へ起こし立てる。ふつう「毛をさかだてる」の形で、動物闘争姿勢をいう。
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)二「鴫のはねがきももはがき、毛をさか立てぞあらそひける」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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