(読み)にがす

精選版 日本国語大辞典 「逃」の意味・読み・例文・類語

にが・す【逃】

〘他サ五(四)〙
① 捕えていたものを放してやる。逃げるにまかせる。また、捕えていたものに逃げられる。のがす。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「『かくれ心ある人なり。にがすな』とて、いささかもたちしぞけば
源氏(1001‐14頃)若紫「雀の子をいぬきがにがしつる」
② 捕えようとしたものに逃げられる。つかまえそこなう。のがす。「チャンスをにがす」
御伽草子隠れ里(室町時代物語集所収)(江戸初)「そのねずみども、一疋もにかすな」
③ 正座している足をそらす。足を後方へそらし伸ばす。
富家語(1151‐61)「左足は前にうるはしく置て、右足をばにがして居て、其にがしたる方の足の方に文は開也」

に・ぐ【逃】

〘自ガ下二〙 ⇒にげる(逃)

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デジタル大辞泉 「逃」の意味・読み・例文・類語

とう【逃】[漢字項目]

常用漢字] [音]トウタウ)(漢) チョウ(テウ)(慣) [訓]にげる にがす のがす のがれる
トウ〉その場から離れ去る。にげる。「逃走逃避逃亡
〈チョウ〉にげる。「逃散
[補説]「迯」は俗字

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