デジタル大辞泉
「さる」の意味・読み・例文・類語
さる[助動]
[助動][さら|さり(さっ)|さる|さる|され|され]四段・ナ変・ラ変以外の動詞の連用形に付く。相手を卑しめる意を表す。…やがる。
「出さらにゃ、ここへ引きずり出す」〈浄・千両幟〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
さる
〘助動〙 (活用は「さら・さり・さる・(さる)・され・され(
さい)」) 四段・上一段・上二段・下一段・下二段活用の動詞の
未然形、カ変活用の動詞の連用形に付く。
※歌謡・閑吟集(1518)「あれみさいなふ 空行く雲のはやさよ」
※
滑稽本・田舎草紙(1804)三「
飛脚のう勤めさった足軽どのか」
② 軽くののしったり卑しめたりする意を表わす。…やがる。
※
狂言記・武悪(1660)「
てんのあみがきさった。かくごした」
※雑俳・冠付四季の花(1851)「いけんがきな・アノ婆々銀子もよふみさる」
[語誌]室町期より
近世にわたって用いられた四段活用型の尊敬の
助動詞であるが、この
命令形「され」から転じたと見られる「さい」について「ロドリゲス日本大文典」(
一六〇八)では、少し目下の者に対して用いる旨の記述があり、
敬意は低い。→
さい(助動詞「さる」の命令形)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報