デジタル大辞泉
「贖」の意味・読み・例文・類語
しょく【贖】[漢字項目]
[音]ショク(漢) [訓]あがなう
刑罰を免れるため金品を差し出す。あがなう。「贖罪」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
あがない あがなひ【贖】
〘名〙 (古くは「あかない」) 罪や過ちのつぐないをすること。埋め合わせ。罪滅ぼし。つぐない。
※引照新約全書(1880)馬可伝福音書「おほくの人に代(かはり)その命を予(あたへ)て贖(アガナヒ)とならん為なり」
しょく【贖】
〘名〙 刑に服するかわりに銅・布・稲などの
財物あるいは
人身で罪をあがなうこと。また、その財物など。ぞく。
※律(718)
名例「犯
二流罪以下
一。聴
レ贖」 〔
書経‐舜典〕
つの・る【贖】
〘他ラ四〙
代償・抵当にする。あがなう。つぐなう。また、買う。買い集める。→
つのる(募)(二)③。
※
順集(983頃)「右近少将義孝朝臣と
橘正通と囲碁うちて、
やまとうた十首をつのる」
あがい あがひ【贖】
〘名〙 (
動詞「あがう」の
連用形の
名詞化。古くは「あかい」) 罰として償いをすること。
賠償。あがない。
※宇治拾遺(1221頃)
一一「『酒、くだ物など取りいださせて、あがひせん』といひかためて」
ぞく【贖】
〘名〙 古代・中世において、銅・布・稲・
土地・人身などで罪をあがなうこと。一定範囲の人または
特定の罪に認められた
一種の特典。しょく。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
贖
しょく
広義の贖は,贖罪を意味し,祓の一形式である祓具の提供も,それが権力者に提供される場合には,これに含まれる (中国法制史上は贖刑 ) 。しかし狭義の贖は,大宝,養老律において,貴族官僚ならびに老人心身障害者の特権として認められている換刑を意味する。なお有位者の場合には,換刑は官当が先行し,残余が贖の対象となる。名例律によると,贖は銅地金の単位で表わされ,笞 10,銅1斤 (約 670g) より,絞斬2死,銅 200斤 (約 130kg) にいたっている。日本律は唐律よりも流刑以上において贖銅が重いが,その理由については定説がない。なお律の贖には,ほかに過失殺傷罪に対する贖があり,これは被害者の家に与えられ,損害賠償的機能を果していた。贖銅は現実には,銅銭,布,稲などで納められ,その比率は時価であった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報