一一(読み)いちいち

精選版 日本国語大辞典 「一一」の意味・読み・例文・類語

いち‐いち【一一】

〘名〙
一つ一つの物。それぞれのこと。
延喜式(927)二〇「座主博士引問者等於内裏。随召昇殿、一一論義」
※観智院本三宝絵(984)中「尼よく一々に是をこたへてはばかることなし」 〔韓非子‐内儲説上〕
② ひとりびとり。めいめい。
※栄花(1028‐92頃)若ばえ「侍(さふらひ)の人々、あるは刀自、すましなどいちいちにいひわたす」
平家(13C前)二「一々に召とってたづね沙汰仕るべし」
③ (副詞的に用いて) 一つ残らず。どれもこれも。ことごとく。ことこまかに。
※虎明本狂言・牛馬(室町末‐近世初)「尤あれが申所いちいち聞えて御ざる」
※浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)一「大将いちいち聞こし召し」

ひとつ‐ひとつ【一一】

〘名〙 (「ひとつびとつ」とも) それぞれの事や物。いちいち。また、副詞的に用いる。ひとつごとに。
蜻蛉(974頃)下「ひとつひとつをだに、なす事にし侍らん」
風立ちぬ(1936‐38)〈堀辰雄序曲「窓のあかりは一つびとつ消えて行った」

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デジタル大辞泉 「一一」の意味・読み・例文・類語

いち‐いち【一一】

一つ一つの物事。それぞれ。めいめい。「一一にわたって立証する」
(副詞的に用いて)もれなく一つ一つ。ことこまかに。「一一難癖をつける」「一一構っていられない」
[類語](1一つ一つ個別逐一/(2残らず洗いざらいくまなく根こそぎ虱潰しすべて何もかもことごとくなべて悉皆しっかい余すところなく漏れなく逐一ちくいちすっかりそっくり一から十まであまねく満遍ない万事一切一切合財丸ごとごっそりすっぽり細大漏らさず何でもかんでも根掘り葉掘り

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デジタル大辞泉プラス 「一一」の解説

一一(いちいち)

株式会社レインズインターナショナルが展開する居酒屋

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