普及版 字通 「贈(漢字)」の読み・字形・画数・意味
贈
常用漢字 18画
(旧字)
人名用漢字 19画
[字訓] おくる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は曾(そう)。〔説文〕六下に「玩好相ひるなり」と手遊びのものを相送る意とする。〔周礼、春官、男巫〕に「、堂(だうそう)す」とあって、堂贈は古い祭儀の名。〔杜子春注〕に「とは疫をふを謂ふなり」、また〔周礼、春官、占夢〕に「季、王のを聘(と)ふ。吉を王に獻ず。王拜して之れを受く。乃ち四方に舍(せきはう)(釈菜して祭る)して、以て惡をる」とあり、贈とは悪夢や悪疾を他に移し送ることをいう。これを玩弄の器に移して遺棄することもあって、「玩好相ひる」という訓を生じたのであろう。もとは厄払いの呪儀であった。死者におくるものを賻贈(ふそう)といい、これも本来は祓邪の意をもつものであったと思われる。金文の〔段(だんき)〕に、冬祭の蒸の次の日に、曾の祭が行われており、のちの堂贈にあたるものであろう。
[訓義]
1. おくる、ものをおくる。
2. つかわす、おう、おくりやる、おいはらう。
3. とむらう、悪邪をはらいやる。
4. おくりもの。
[古辞書の訓]
〔立〕 ムツブ・オクル・オクリモノ 〔字鏡集〕 オクル・マス・ムツブ
[語系]
dzng、djingは声義近く、は〔説文〕六下に「物相ひ加するなり。一に曰く、るなり。副ふるなり」とあって、物を送ることをいう。は盤(舟)中のものを捧げる形。貝はもと財貨というよりも、祓邪の呪器であった。
[熟語]
贈位▶・贈貽▶・贈遺▶・贈官▶・贈餽▶・贈▶・贈玉▶・贈言▶・贈行▶・贈号▶・贈謚▶・贈死▶・贈賜▶・贈恤▶・贈助▶・贈序▶・贈贐▶・贈▶・贈錫▶・贈送▶・贈儺▶・贈呈▶・贈答▶・贈品▶・贈賻▶・贈別▶・贈封▶・贈▶・贈与▶・贈労▶・贈賄▶
[下接語]
遺贈・雅贈・寄贈・贈・恵贈・顕贈・持贈・受贈・親贈・贈・追贈・堂贈・賻贈・分贈・捧贈・贈・賄贈
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報