普及版 字通 「贄(漢字)」の読み・字形・画数・意味
贄
18画
[字訓] にえ
[字形] 形声
声符は執(しゆう)。執はもと手械(てかせ)を加えた象であるが、のち手に持つことをいう。人と会見するときに贈る礼物を贄といい、〔左伝、荘二十四年〕に「男の贄は、大なるは玉帛、小なるは禽鳥、以て物を(あら)はすなり。女の贄は、榛栗(しんりつ)棗脩(さうしう)(なつめと乾肉)にぎざるのみ。以て虔(つつし)むことをぐるなり」とみえる。入門のときにも礼物を贈るので贄見礼といい、今も束脩の名を用いる。脩は長い切身の肉を束(つか)ねる意。わが国の「あわびのし」は、その名残である。贄はまた質(ち)といい、〔孟子、文公下〕「疆(さかひ)を出づるときは、必ず質を載(の)す」とあり、贄見の礼のために備えた。
[訓義]
1. にえ、てみやげ。
2. 字はまた摯・・質に作る。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕贄 尓(にへ) 〔名義抄〕贄 タカラ・ニヘ・ツト
[語系]
贄tjiet、執tjipは声が近く、両手で執るものをいう。摯・・質tjietは同声通用の字。
[熟語]
贄儀▶・贄御▶・贄具▶・贄敬▶・贄献▶・贄見▶・贄然▶・贄幣▶・贄宝▶・贄礼▶
[下接語]
委贄・賀贄・献贄・交贄・効贄・厚贄・婚贄・裁贄・士贄・執贄・受贄・女贄・承贄・称贄・送贄・男贄・置贄・典贄・贄・投贄・納贄・媒贄・傅贄・兵贄・奉贄・用贄・来贄・礼贄
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報