普及版 字通 「訳(漢字)」の読み・字形・画数・意味
訳
常用漢字 11画
(旧字)譯
20画
[字訓] わけ
[説文解字]
[字形] 形声
旧字は譯に作り、(えき)声。〔説文〕三上に「四夷の言を傳譯するなり」とあって、異言を通ずることをいう。〔礼記、王制〕に「東方を寄と曰ひ、南方を象と曰ひ、西方を狄(てきてい)と曰ひ、北方を譯と曰ふ」とみえる。は獣屍の解(とかい)(くずれて解ける)する象で、繹解(えきかい)の意がある。伝訳の官には〔国語、周語中〕に「舌人」の官があり、〔周礼、秋官、大行人〕に「象胥(しやうしよ)」の官があった。中国で、わが国の語を伝訳した辞書を「日本寄語」のようにいう。
[訓義]
1. やく、他国語の意味を伝える、うつしていう、訳語、翻訳。
2. わけ、意味を解く、詳しく説く、あらわす。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕譯 サヘヅル・ヲサム・ミル・ヨロコブ・トトノフ・ツタフ・ヲサ 〔字鏡集〕譯 ツタフ・ツタフルコヱ・トトノフ・アザケル・ヨロコブ・ヲサム・サヘヅル・ミル
[語系]
譯・・・驛(駅)・繹jyakは同声。擇(択)deakも声義が近い。は獣屍の解する形。擇はそれを択びとる意。(えき)はめぐる、驛は駅伝、繹は糸をたぐり抽(ひ)く意。みなときほぐし、長く連なる意をもつ語である。
[熟語]
訳官▶・訳経▶・訳語▶・訳刻▶・訳使▶・訳士▶・訳導▶・訳本▶
[下接語]
意訳・英訳・旧訳・誤訳・細訳・抄訳・象訳・宣訳・全訳・重訳・直訳・通訳・翻訳・訳
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報