精選版 日本国語大辞典 「訝」の意味・読み・例文・類語
いぶかし・い【訝】
① 物事が不明で気がかりである。不明な点について知りたい、見たい、聞きたい。
※書紀(720)欽明二年七月(北野本訓)「未審(イフカシ)〈略〉数歳(しばしばのとし)の間に慨然(うれ)へて志を失ふ」
② 疑わしい。よくわからない。不審に思われる。また、そういう状態が気にかかる。〔観智院本名義抄(1241)〕
※御伽草子・福富長者物語(室町末)「いぶかしうて、首さしのべて侍るを」
いぶかし‐が・る
〘他ラ五(四)〙
いぶかし‐げ
〘形動〙
いぶかし‐さ
〘名〙
いぶかし‐み
〘名〙
いぶか・る【訝】
〘他ラ五(四)〙 (古くは「いふかる」。「いぶかし」の動詞形)
① はっきりしないので気がかりに思う。おぼつかなく思う。
② いきどおる。怒り狂う。
※倭姫命世記(1270‐85頃)「悪神伊不迦理(イフカリ)て人民亡、火気発起而、天下不レ安」
③ あやしく思う。不審に思う。疑う。
いぶかし【訝】
〘形シク〙 ⇒いぶかしい(訝)
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