西洞村
にしぼらむら
[現在地名]高鷲村西洞
見当山から発して西流し、カマス川と合流する長良川の源流部に位置する郡上郡北端の村。北は白川街道で飛騨国大野郡野々俣村（現荘川村）、南は同じく穴洞村に通じる。蛭ヶ野高原には太平洋側と日本海側を分つ分水嶺がある。郡内の小駄良にも西洞村（現八幡町）があったため「すみ西洞村」と書いて区別する場合もある。折立には折立長者がいたが、天正一三年（一五八五）一一月二九日の大地震で折立、水沢上（現明方村）、帰雲（現大野郡白川村）の三所一時に崩れ、折立長者の一統も滅亡したと伝える。
西洞村
にしぼらむら
[現在地名]朝日村西洞
北東に流れる西洞川沿いの山麓平地にあり、東は宮之前村。同川の支流黒見谷を遡上して細尾峠を越え、阿多粕川を下ると阿多粕村（現久々野町）に出る。元禄飛騨国検地反歩帳に村名がみえ、高四一石余・畑一五町三反余（うち二反余は下々田ひえ田）。「飛騨国中案内」によれば免は三割七分七厘、家数五二、うち百姓四四・門屋七・寺一。寛政一二年（一八〇〇）には畑六三石余・反別二六町三反余、うち新田畑二一石余・反別一一町余、家数五二・人数三三二、牛二九、猟師鉄砲三（村明細帳）。細尾峠の東は標高一三〇〇メートルほどの高原地帯で、スズラン、レンゲツツジ群落（県指定天然記念物）がある。
西洞村
さいとむら
[現在地名]御嵩町西洞
樋ヶ洞村の南、西流する小原川沿いの狭い谷間にある。中山道が中央を東西に通る。上之郷一六ヵ村の一で、元禄郷帳に西洞村とみえ高四三石余、尾張藩領。臼井本元禄郷帳では高二三石余とある。「濃州徇行記」では田三町一反余・畑九反余、百姓控山一町四反余。農間に少し薪を伐り出す。家数一七・人数六四、馬四。明治五年（一八七二）の村明細帳によると家数一三・人数五三、馬三。農間に男は藁細工、女は肥草刈取・木綿拵などを行う。北端の坂の北側に耳神社がある。
西洞村
にしぼらむら
[現在地名]八幡町初音
小駄良川右岸の枝谷沿いにあり、下流は中桐村。慶長郷帳の「こたら共」一千九八石余の一画にあたるか。正保郷帳に田方二七石余・畑方二〇石余とある。正保国絵図には中神路村（現大和町）へ通じる道が記される。宝暦六年（一七五六）の郡上郡村高覚帳（鈴木文書）では家数九（水呑三）。もと郡上藩領で、元禄一〇年（一六九七）金森頼
が郡上へ入封すると同時に、分知旗本の金森近供領に編入された。
西洞村
にしぼらむら
[現在地名]武儀町下之保西洞
津保川の支流西洞谷沿いに位置し、西の見坂峠を経て上有知村（現美濃市）に至る。南東は殿村。文禄三年（一五九四）九月五日の下之保村山年貢折紙（森田文書）に「にしほら村」とみえる。
西洞村
にしぼらむら
[現在地名]美濃加茂市山之上町 西洞
山之上八ヵ村の一つ。中之番村の北西に続く。「濃州徇行記」によれば、田方は打出しとも本田一〇町八反余と山田二反余、畑方は本畑八町余と山畑四町七反余。南北に長い洞で中通りが田、畑は山上にある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
