行通(読み)ゆきとおる

精選版 日本国語大辞典 「行通」の意味・読み・例文・類語

ゆき‐とお・る ‥とほる【行通】

〘自ラ四〙
① つらぬき通る。踏み破って通る。
万葉(8C後)一一・二三八六「巖すら行応通(ゆきとほるべき)健男も恋といふ事は後の悔あり」
② 行き過ぎる。通って行く。通過する。いきとおる。〔日葡辞書(1603‐04)〕

ゆき‐かよ・う ‥かよふ【行通】

〘自ハ四〙 通って行く。また、常にゆききする。ゆきかう。いきかよう。
※万葉(8C後)三・二六一「ひさかたの 天伝ひ来る 雪じもの 往来(ゆきかよひ)つつ いや常世まで」

いき‐かよ・う ‥かよふ【行通】

〘自ワ五(ハ四)〙 行ったり来たりする。かよって行く。往来する。ゆきかよう。
伊勢物語(10C前)二三「かうちの国、高安の郡に、いきかよふ所出で来にけり」

ゆき‐かよい ‥かよひ【行通】

〘名〙 行き通うこと。交通。ゆきき。いきかよい。
源平盛衰記(14C前)四四「今は国国も鎮まって、人のゆきかよひも煩ひなし」

ゆき‐どおり ‥どほり【行通】

〘名〙 とおって行くこと。通行
※集成本狂言・業平餠(室町末‐近世初)「今日も行通りの人に餠を商はうと存ずる」

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