精選版 日本国語大辞典 「行渡」の意味・読み・例文・類語
ゆき‐わた・る【行渡】
〘自ラ五(四)〙
① 行って渡る。渡って行く。
※万葉(8C後)一三・三三三九「あしひきの 野行き山行き にはたづみ 川徃渉(ゆきわたり)」
② おとずれる。訪問する。行く。
③ 隅々にまで広がり及ぶ。残る所がなく行き届く。いきわたる。〔羅葡日辞書(1595)〕
※鮫(1963)〈真継伸彦〉二「粥がひとわたりゆきわたったとき」
④ 世間に流布する。普及する。
※浮世草子・元祿大平記(1702)五「はや唐本にて大かた所々えゆきわたりし時に、和板になりしゆへかねておもひの外売遠くなり侍る」
※銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前「まだ今のやうに琴といふもののゆきわたらないじぶんのこと」
いき‐わた・る【行渡】
〘自ラ五(四)〙
① 世の中の事情に精通する。あることの通である。いきとどく。ゆきわたる。
② すみずみまでとどく。すべてのところに達する。皆が所有するようになる。
ゆき‐わたり【行渡】
〘名〙 万事に心を配ること。隅々にまでよく行き届くこと。いきわたり。
※合巻・蝶双春花壇(1834)上「御苦労致されましただけ、行渡りのよいお人で厶ります」
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